中足骨疲労骨折?モートン病?|足の甲の痛み

疲労骨折 この1ヶ月,職場を変わり,歩きすぎて足の甲が痛くなり,なかなか痛みが取れないので来院.健康保険に入っておらず,自費では初診とレントゲンだけでも5千円を超えてしまうので,触診で,モートン病と考えたものの,圧痛と腫れが気になり,レントゲンを撮らせていただいた.


 漫然と見ていれば何も見えないが,モニター画像を拡大すると,第2中足骨の母趾側の皮質骨がホンワリとぼけており,疲労骨折だった.

疲労骨折拡大 モートン病は中年の女性に多く,確率的には,Freshmanにはまず認められない.治療方法もモートン病と疲労骨折では全く異なります.

 

腰椎分離症の診断と治療|腰椎分離症の分離部の動きをレントゲンで見てみた

腰椎分離症は,成長期の過度な運動により起こす疲労骨折の一つと考えられています.腰で疲労骨折を起こす場所は腰椎の後方部分(右図黄矢印),椎間板の反対側で椎弓という部分.腰を反らすと骨折して炎症を起こしている部分が圧迫されて痛みを生じます.

ある程度腰椎分離がはっきりしてくると通常のレントゲンでも見つかることがあります.右図の分離症の写真にカーソルを合わせると後屈時の写真になりますが,後屈時は分離部の隙間が狭くなることがわかります.

通常分離していなければ動くことのない椎弓部分ですが,分離症では後屈させると,分離部(黄色の矢印の部分)がガバガバに動いています.この状態になると完全に治すこと(疲労骨折した椎弓部分が骨癒合して動かなくなること)は難しくなります.

腰椎分離症の治療は成長期であれば,骨癒合が期待できるので,硬いコルセットで腰を固定するのですが,数カ月にわたる運動禁止が必要となります.また運動禁止して固定していれば必ず治るというわけではありませんから,初期治療が大事になってきます.

腰椎分離症がレントゲンではっきりわかる時期はかなり進行した状態といえます.分離症の初期ではレントゲンやCT,MRIでもはっきりしませんが,理学所見である程度判断できますので,はやめにスポーツ整形外科を受診してください.

ウサギ跳びはいつ頃から行われなくなったのか|稲毛整形外科

ウサギ跳びとは、膝を曲げ、しゃがんだ状態でジャンプしながら前進するというトレーニング法です。

今の学生さんに聞いてもウサギ跳びという言葉が通じません。1970年代頃まで日本で広く行われていた筋力トレーニング法の一つでしたが、1980年代以降はトレーニング効果が無く故障のリスクが高いと周知されて廃れました。

ウサギ跳びは膝や足首に大きな負担をかけることで、疲労骨折や軟骨の損傷、半月板の損傷などの弊害を引き起こしやすいとされています。

ウサギ跳びがいつごろから行われなくなったのかは、正確な時期は分かりませんが、1978年に静岡市立長田南中学校の野球部員がウサギ跳びで集団骨折するという事件が起きたことがきっかけで、文部省がウサギ跳びの禁止を検討すると発表したことがありました。

その後、スポーツ科学や医学の面からウサギ跳びは否定され始めたことや、トレーニング機器や合理的なトレーニング方法の知識が海外から入るようになったこともあり、1990年代末には殆ど見られなくなったと言われています。

同様の理由で階段ダッシュやおんぶ走りは、膝にかなりの負担をかける運動です。 走る際には、体重の3-4倍の衝撃が膝にかかりますが、階段ダッシュやおんぶ走りはその倍以上の衝撃が増加します。 また、バランスを保つために膝を曲げたまま走ることが多くなりますが、これも膝や腰に負担をかけます。 重症化すると、軟骨や靭帯の損傷や変形性関節症、腰椎椎間板ヘルニアなどの慢性的な障害になる恐れもあります。

42.195kmを2時間以内に完走する|ナイキ厚底シューズ

現在のフルマラソンの最速記録は非公式記録ながら、リオ五輪の男子マラソン金メダリストエリウド・キプチョゲ選手がナイキのプロジェクトとして行われた条件の整えられた非公認レース「Breaking2」で出した2時間0分25秒。

”42.195kmを2時間以内に完走する”という限りなく不可能に近いとされるミッションに、限りなく近づいた。ナイキのプロジェクトというところからわかると思いますが、その大きな立役者がランニングシューズ。その系列の最新シューズが

ナイキ ヴェイパーフライ 4% フライニット!

先週行われた大迫選手ら「シカゴマラソン」の上位5人全員が、ズーム ヴェイパーフライ 4% フライニットをはいていた。現在入手困難で、定価26000の倍以上で転売されている。そんな早く走れるならと高くても買いに走る40代50代のランナーも多いと思います(笑)

厚底4cmで足底の疲労感をやわらげ、カーボン入りのソールが推進力を生みだし、つま先が跳ね上がったウエッジ状の形状が体重移動をスムースにし、ランニング効率が平均「4%」あがるらしい。

走り方は以前から私も推奨してきたフォアフット走法、せめてフラット着地にしないと、こういう靴の性能は引き出せないと思います。フォアフットで走るためには腓腹筋ではなく,後脛骨筋を鍛えてください。後脛骨筋が弱いのに,足首で地面を蹴っていると腓腹筋が頑張ろうとしてふくらはぎの肉離れやアキレス腱炎,ひいてはアキレス腱断裂を起こしますので要注意!

PS高校生がよく起こすシンスプリント,脛骨疲労骨折,外脛骨障害のほか足底筋膜炎や外反母趾,偏平足すべて後脛骨筋が絡んでいます .ではまた!

 

謹賀新年|千葉マリン&東京マラソン直前の膝痛

脛骨疲労骨折
あけましておめでとうございます.本年も稲毛整形外科および診療日記をよろしくお願いいたします.

毎年恒例の千葉マリンマラソンが来週1月18日の日曜日に行われますが,大会に合わせて調整してきたランナーが膝痛を訴えて来院されるのもまた毎年恒例(?)となっています.

4回目の応募にして東京マラソンに初当選.スピード練習を行った直後より膝の内側が痛み,走れなくなったとのことで来院されました.千葉マリンもエントリーしており,走れるのかどうか,MRI検査を希望され,膝のMRIをとってみました.

靭帯や半月板,軟骨に特に異常所見はなく,しいて言えば膝内側半月板の下の脛骨が,ちょっと黒いかな?という程度でしたが,その部位を押してみると飛び上るほど痛がるので,骨の中がむくんでいる状態で,わかりやすく言えば疲労骨折直前と判断しました.MR画像があると医者の勘だけではなく,患者さんと画像を説明しながら根拠に基づいた説明(ドクターストップ)ができるので助かります.

千葉マリンを無理やり走れば確実に膝痛は悪化すると思います.東京マラソンまではまだ1か月あるので,千葉マリンはあきらめて,東京に合わせて調整すれば走れそうかな?サブ4頑張ってください!