ランニングによる疲労骨折について

ランニングは健康に良い運動ですが、やりすぎると足の骨にダメージを与える可能性があります。ランニングによる疲労骨折とは、同じ部位に小さな力が繰り返し加わることで、骨に亀裂が入ったり、折れてしまったりする状態です。ランニングでの疲労骨折は、主に脛骨(すねの骨)、中足骨(足の甲の骨)、腓骨(すねの外側の骨)などに起こりやすいです。

疲労骨折の原因は、過度のトレーニング、不適切なシューズやフォーム、栄養不足やホルモンバランスの乱れなどが挙げられます。疲労骨折の症状は、運動時や圧迫時に痛みを感じることが多く、患部が腫れたり硬くなったりする場合もあります。疲労骨折はレントゲン検査やMRI検査などで診断されます。

疲労骨折の治療法は、原則として安静にすることです。原因となった運動を中止し、患部に負担をかけないようにします。必要に応じて松葉杖やギプス固定などを行います。また、栄養バランスの良い食事やサプリメントを摂ることも大切です。完治までには数週間から数ヶ月かかる場合があります。

疲労骨折を予防するためには、以下のことに注意しましょう。

・トレーニング量や強度を徐々に増やす
・シューズや靴下を足に合わせて選ぶ
・ランニングフォームを正しくする
・地面が硬すぎない場所で走る
・ストレッチや筋トレで筋力や柔軟性を高める
・カルシウムやタンパク質などの骨を強くする栄養素を摂る
・女性ホルモンのバランスを整える

ランニングは楽しく健康的な運動ですが、無理をしないようにしましょう。自分の体調やレベルに合わせてトレーニングを行い、疲労骨折を予防しましょう。

ランニング記事|ターザンに掲載されました

走りたいのに痛くて続けられない…悩めるランナーに、痛みが出がちな5部位の対処法を教えます。

本日発売のターザン775号に取材記事が掲載されました。今まで数多くの記事を書いてきましたが、この記事を読めばランニングで痛めやすい5部位の原因と対処法が5分でわかります。

謹賀新年|千葉マリン&東京マラソン直前の膝痛

脛骨疲労骨折
あけましておめでとうございます.本年も稲毛整形外科および診療日記をよろしくお願いいたします.

毎年恒例の千葉マリンマラソンが来週1月18日の日曜日に行われますが,大会に合わせて調整してきたランナーが膝痛を訴えて来院されるのもまた毎年恒例(?)となっています.

4回目の応募にして東京マラソンに初当選.スピード練習を行った直後より膝の内側が痛み,走れなくなったとのことで来院されました.千葉マリンもエントリーしており,走れるのかどうか,MRI検査を希望され,膝のMRIをとってみました.

靭帯や半月板,軟骨に特に異常所見はなく,しいて言えば膝内側半月板の下の脛骨が,ちょっと黒いかな?という程度でしたが,その部位を押してみると飛び上るほど痛がるので,骨の中がむくんでいる状態で,わかりやすく言えば疲労骨折直前と判断しました.MR画像があると医者の勘だけではなく,患者さんと画像を説明しながら根拠に基づいた説明(ドクターストップ)ができるので助かります.

千葉マリンを無理やり走れば確実に膝痛は悪化すると思います.東京マラソンまではまだ1か月あるので,千葉マリンはあきらめて,東京に合わせて調整すれば走れそうかな?サブ4頑張ってください!

 

ランニングトラブル解決BOOK

ソチオリンピック,東京マラソンと2月のスポーツイベントがおわりましたがいかがお過ごしでしょうか.

東京マラソンの人気が上がるにつれ,周囲で当選された方も少なかったように見られます.

好評のランナーのための痛み解消クリニック を再編加筆した”ランニングトラブル解決BOOK”が明日発売されます.
よろしければご覧ください.

WBI指数|ランニング時の股関節痛

Running Style (ランニング・スタイル) 2013年 10月号 [雑誌]

 雑誌企画で12月のホノルルマラソンにむけて,フルマラソンに初挑戦する,ランニングスタイルホノルル部員の一人が股関節痛のため当院でメディカルチェックを行いました. Running Style (ランニング・スタイル) 2013年 10月号にその詳細が紹介されています.

 外傷歴などがないのに,股関節が痛くなりランニングを続けられない場合,多くは筋力不足が一因となっています. 

 この部員の場合もレントゲンやMRI検査では異常は認められず,大腿四頭筋の筋力をコンビットという下肢筋力測定専用機器で測ってみると筋力不足が明らかとなりました.

 どの程度の運動が可能か判断する指標として,この大腿四頭筋筋力を体重で割ったWBI指数 (千葉県勝浦市の国際武道大 黄川先生が考案)というものを用いていますが,この方の場合はランニングに必要な0.7を下回り,ジョギングが許可できる程度の筋力しかありませんでした.

 WBI指数をみるには専用の機械が必要ですが,簡易的な判断方法として片足で何cmの台から立ち上がれるか見る方法もあります.

高さ40cmの台に座り,両手を組んだまま反動をつけずに片足で立ちあがれれば,ジョギングが可能なWBI 0.6相当.

30cmの台から立ち上がれればランニング許可.WBI=0.7

20cmの台から立ち上がれればジャンプ.WBI=0.9

10cmの台から片足で立ち上がれれば競技復帰.WBI=1.0

 主に下肢の手術後の運動許可の目安として使っていますが,けがの予防のためにもどの程度の筋力があるのか,知っておく必要があります.

 さらに政府がメタボの次に広めようとしているロコモティブシンドロームにも立ち上がりテストが有用です.お年寄りの方は20cmの台から両足で手を使わずに反動をつけずに立ち上がれなければ通常歩行が困難となる黄色信号といえます.

 皆さんも立ち上がりテストtryしてみてください.