頸椎歯突起形成不全|首を曲げると両手足がしびれる


ラグビー少年.タックル失敗で首を痛め,体中に電気が走って以来,首を前に曲げると,両手足がしびれるとの事で来院.

頚椎のレントゲン側面像では骨折などは見られないものの,前後屈撮影で比較すると,第一頚椎と第二頚椎の歯突起が一体となって大きく前にずれる環軸椎脱臼の診断.(マウスカーソルを画像に合わせると前屈時の写真になります.)

比較的まれな疾患ですが,第2頚椎歯突起形成不全(os odontoideum)という先天異常があると,軽微な外傷で環軸椎脱臼を起こします.最悪の場合も十分あるため,ラグビーはもちろん禁止,動揺性の大きいものは手術が必要になります.

症状が似ている病気にバーナー症候群があります.バーナー症侯群は通常片側だけがしびれることが多く,両手がしびれる場合は要注意です.

 

頚椎圧迫骨折|柳腰ならぬ柳首でも折れるときは折れる

頚椎圧迫骨折はラグビーやアメフトなどのコンタクトスポーツだけでなく,浅いプールでの飛び込み,体育の授業やプロレスごっこなど,身近なところでも起こします.重度の場合,手足が動かなくなる脊髄損傷の原因となります.

頚椎圧迫骨折 この患者さんは倒立前転で首を捻挫.接骨で治療していたが,よけいに痛みが増してきたため来院.

レントゲンでは第7頚椎の前方部分,椎体という円柱状の骨の上半分がつぶれており,頚椎圧迫骨折の診断.

骨折というと枯れ枝が折れるように,ぽっきりと折れるのを思い浮かべると思いますが,骨折にはいろいろな形があります. 頭と首を支えている頚椎は,胸椎や腰椎に比べ動く範囲(可動域)が格段に広く,このこと(柳腰ならぬ柳首?)が幸いして,交通事故や落下事故でも骨折を起こすことは少なく,むち打ち損傷胸腰椎圧迫骨折を起こします.しかし,首に全体重がかかり過屈曲すると,頚椎でも圧迫骨折を起こす事があります.

横山典騎手 中心性頸髄損傷

横山典弘騎手、悲願のダービー

【競馬】落馬の横山典弘騎手「頸髄損傷、頭蓋骨骨折」の診断 – MSN産経ニュース

 日本中央競馬会(JRA)は27日、中山競馬場で26日に行われたレースで落馬負傷した横山典弘騎手(42)が「中心性頸髄損傷、頭蓋骨骨折」と診断されたと発表した。全治などは不明だが、JRA報道室によると「意識ははっきりしており、会話も交わせる。骨折はひびが入った程度で、手術を受ける予定はない」という。

 横山典騎手は第3レースの途中、騎乗していた馬がバランスを崩して落馬。千葉県船橋市内の病院に運ばれ、入院した。

 同騎手は今年113勝を挙げ、年間最多勝争いのトップに立っている。通算2154勝はJRA史上2位。昨年は日本ダービーを初制覇、今年はオークスで同着優勝するなど重賞128勝を記録している。

[2010年9月27日14時58分]

 肘の内側を机や本棚の角にぶつけて手がしびれたことはありますか?あの痛みとシビレがずっと続くのが中心性頸髄損傷の症状です.脊髄損傷では足から運動神経が麻痺しますが,中心性脊髄損傷は手の感覚障害が主です.中心性頸髄損傷の原因・病態(病気のしくみ)は中心性頸髄損傷のページへ.

頚椎棘突起骨折(チャンス骨折寸前)|飛び込み注意

小中学生がプールの底や海底の突起物で頭を打って,首の骨を折る飛び込み事故が多く見られます.背の低い子供達が水面を斜めから見て,深さを見誤るケースが少なくありません.

頚椎棘突起骨折 先週こられた患者さんも頭から飛び込み,首を捻挫.数日しても痛みが取れないので来院.

レントゲン画像では第7頚椎の棘突起が真っ二つに割れている.前後屈撮影で比べると骨折部がグラグラ動いている.このまま来院していなかったら,頚椎が脱臼骨折(チャンス骨折)をおこして下半身麻痺になっていたかもしれません…

梅雨明けとともに,多々報道される水死事故はニュースになりますが,知らないところで重大な事故が起こっています.

残り少ない夏.くれぐれも水の事故には注意してください.

女性セブン [2010年05月06日号]

女性セブン [2010年05月06日号]

本日発売の女性セブン(2010年05月06日号)”お試し隊/コリ解消グッズの巻-<ながらほぐし>はホントに効くの?”の中で,肩こりについての記事が掲載されました.

記事の中であげた肩こり健康チェックです.

・まっすぐ立つと、どちらか一方に体重がかかっている

・姿勢が悪い、または悪いと指摘されたことがある

・1日の睡眠時間が6時間以下

・首をぐるりと回すとき、左右回しにくい方向がある

・仕事はデスクワークだ

・荷物を持つ、バッグをかける手、肩が決まっている

・食べ物を噛むとき、左右どちらかに片寄っている(いつも同じ側)

・横向きで寝るくせがあり、そのときは向きが決まっている

・まっすぐ立ったとき、肩やひざの高さが左右揃っていない

・口角が下がっている

・肩こりや頭痛、腰痛もちだ

・目や眉の左右の高さが違う

・電車の中でメールを打つことが多い

・運動不足だ

・靴のかかとの減り方が左右違う

・ほおづえをつくことが多い

・パソコンや携帯メールを1日30分以上使っている

・高めの枕を使っている

・脚を組むと、いつも同じ側を組んでしまう

・ゴルフやテニスなど片側の腕をよく使うスポーツをしている

気になる方はぜひご覧ください.

常に皆様の役に立つ情報を発信していきます.