膝関節多発性骨軟骨腫|”関節ねずみ”ならぬ”関節うさぎ”?

 年配の女性.何十年も前から膝がごろごろして,たまに引っかかりを感じていたものの,膝痛はなく放置していたらしい.

 最近,膝の痛みが出てきたため来院.レントゲンをとるまでもなく,膝のお皿の上にごろごろした塊を触れることができ,可動性がある.

レントゲンでは10個あまりの骨の塊を見ることができ,診断は膝関節多発性骨軟骨腫.骨軟骨腫の字のとおり,中心部の骨組織を核としてレントゲンでは写らない軟骨が周囲をとりまいているため,実際はひと周り大きく,関節ねずみならぬ関節うさぎとでも呼ぶべき遊離体.

ここまで大きくなると関節の隙間に入り込めなくなるため,ロッキングを起こすことはない.それほど珍しい病気ではなく,高齢の方に多くみられます.ロッキングを起こさない場合は,経過を見るだけでもよさそうです.

膝関節水腫|R25に取材記事

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「ヒザに水がたまる」ってどういう状態のこと?

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膝前十字靱帯損傷 なでしこジャパン丸山佳里奈

膝前十字靭帯完全断裂では自然治癒することはなく,前十字靱帯再建術が必要になることが多い

 ロンドン五輪アジア最終予選・中国戦で右ひざを負傷したなでしこジャパンのFW丸山桂里奈(千葉)が右膝前十字靱帯損傷で全治6ヶ月の診断.

 前十字靱帯が切れると自然治癒することはなく,基本的には前十字靭帯再建術が必要で,試合復帰には8ヶ月が必要.手術をするとロンドン五輪は完全に黄信号.

 ウオーミングアップ中にも軽く捻ったとのことで膝前十字靱帯は,以前からゆるかったものと考えられ,内側側副靭帯損傷や内側半月板損傷,軟骨損傷などを合併していなければ,このまま手術をしない選択もありか?…

 種目は違いますが,バルセロナオリンピック直前の練習中に前十字靱帯を損傷した柔道家の古賀稔彦氏など,トップレベルでもケガを克服し,金メダルを取った選手はいっぱいいます.

 丸山選手もがんばってください.

膝前十字靭帯不全断裂+内側半月板損傷 ドクターストップ

40代のアスリート 先月,膝を捻り,MRIで前十字靭帯不全断裂+内側半月板損傷.プロではないが来月1年間目標にしてきた試合がある.試合には入場料を払って見に来てくれる人もいる.

前十字靭帯不全断裂 前十字靭帯は半分ぐらい残っており(前十字靭帯不全断裂),日常生活には支障がない程度に回復するレベルだが,万が一,再度,膝を捻挫すると,完全断裂になり,半月板や軟骨まで,回復不能なダメージを受ける可能性が高い.

内側半月板損傷は大事な後ろ側が切れており,今でも,長時間運動すると,必ず痛みが出る.

手術をしないで試合をする選択をしたが,試合後に悪化して手術というパターンは避けたい. 内側半月板だけ,事前に手術(内側半月板損傷部分切除術)をすれば,痛みは取れるが,前十字靭帯損傷による膝が外れる感じが顕著になる恐れがある.前十字靭帯不全断裂では,リハビリを行い,筋力をつけることで,回復する可能性がある.  足がちぎれても試合に出るというのであれば,止められないが,今の時点で,手術するしないにかかわらず,治る可能性が高ければ,ドクターストップをかけるべきだと思います.

 

ライセンス藤原、大けが!

 お笑いコンビ、ライセンスの藤原一裕(33)がテレビ東京系バラエティー「ヤンヤンJUMP」(土曜後6・30)の収録で,5人対5人のハンドボールを基にした番組オリジナルの球技試合中、ジャンプしてシュートを放った後、着地した際に左ひざを床に強く打ち付け受傷。

 膝前十字靭帯は太ももとすねの骨をつないでいる膝関節の4本の靭帯のひとつで,前後に骨がずれるのを抑制しているだけでなく,方向転換の際,太ももの力をすねに伝える重要な役割を果たしています.

 通常,膝を地面に打ち付けた場合は後十字靭帯断裂を起こします.その前に軸足として強く捻ると前十字靭帯が断裂するので,おそらくシュートの方向転換の際捻ったか,着地でバランスを崩して捻りながら着地したものと推定されます.

 全治6ヶ月と報道されていますが,痛みは1~2週間でなくなり,膝にたまった血も吸収してくれば,日常生活はテーピング程度で,杖も不要となります.いったん断裂した前十時靭帯はヒザ関節の中をアサガオのツルのようにのびてつながるわけではないので,完全断裂の場合は自然に治ることはなく,手術が必要となります.

 入院は1ヶ月,リハビリを含めて6ヶ月以上を要しますが,スポーツ選手のようにスポーツ復帰を急がない緊急性の少ない場合は,後日,夏休みなどを利用して入院ということも可能です.手術までの間はさらなる損傷(特に半月板の損傷を合併しないよう)を避けるため,スポーツは控えていただきますが,通常通り日常生活は可能です.

 詳細は前十字靭帯損傷をご参照ください.