膝関節多発性骨軟骨腫|”関節ねずみ”ならぬ”関節うさぎ”?

 年配の女性.何十年も前から膝がごろごろして,たまに引っかかりを感じていたものの,膝痛はなく放置していたらしい.

 最近,膝の痛みが出てきたため来院.レントゲンをとるまでもなく,膝のお皿の上にごろごろした塊を触れることができ,可動性がある.

レントゲンでは10個あまりの骨の塊を見ることができ,診断は膝関節多発性骨軟骨腫.骨軟骨腫の字のとおり,中心部の骨組織を核としてレントゲンでは写らない軟骨が周囲をとりまいているため,実際はひと周り大きく,関節ねずみならぬ関節うさぎとでも呼ぶべき遊離体.

ここまで大きくなると関節の隙間に入り込めなくなるため,ロッキングを起こすことはない.それほど珍しい病気ではなく,高齢の方に多くみられます.ロッキングを起こさない場合は,経過を見るだけでもよさそうです.