NHKニュース おはよう日本で放送されました

NHKニュース おはよう日本

今朝NHKニュースで先週収録した番組が放送されました!

10月15日(火)
あなたの肩こり ストレートネックかも!?

整形外科でも’首の骨がまっすぐになっている’とか’ストレートネック‘という言葉は何十年も前からごく普通に使っていますが,ストレートネックという病名は整形外科の教科書にはありません.

NHKでは番組にするにあたり議論もあったようで,’ストレートネック’という言葉を出すのは初めてに近いとのことでした.

今回の取材では肩こりや首こり,頚痛,寝違い,筋違いなどで過去2年あまりに当院を受診した2000人弱からレントゲン所見でストレートネックを認めたカルテを抜き出して分析しました.

レントゲン所見としてストレートネック以外に所見を認めない肩こり,頚痛の患者さんは25%にのぼり,その中には斜角筋症候群とよばれる整形外科の教科書にも載っているちゃんとした病名の付く方も含まれていました.

痛み止めが効かない腰痛|腰部脊柱管狭窄症

60代男性.ジョギングのあと徐々に腰から太ももにかけての痛みが出現.以前,内科でもらった痛み止めを飲んでもまったく効果なく,当院を受診.

どんな薬を飲んだのか聞いてみると腹痛の際処方された痛み止め.

 ご存知の方も多いと思いますが,ブスコパンに代表される鎮痙剤は胃や腸の痙攣による痛みにはすっきりと効くのですが,一般的な肩こりや腰痛には全く効果がないどころか,胃腸の運動が抑制されて便秘や腹にガスがたまるなどの副作用もあるので注意が必要です.

腰部脊柱管狭窄症 診断は以前から足裏の違和感を感じていたとのことで,腰部脊柱管狭窄症.MRIを撮影してみると下から3番目の椎間板で神経が圧迫されてひきおこした神経痛でした.

数年前までは筋肉痛も神経痛もロキソニンやボルタレンなどの鎮痛消炎剤(NSAIDS)しか選択肢がなかったのですが、最近は神経痛に対して作用機序の異なる薬が開発されており,第一選択薬のNSAIDSが効かない場合,処方しています.

神経痛に対して,胃の痛み止めが効かないのは当然ですが,普通の消炎鎮痛剤が効かない慢性の痛みに有効ですので,是非お近くの整形外科で,ご相談ください.

ぎっくり腰の取材記事が夕刊フジに掲載されました

掲載記事ぎっくり腰夕刊フジ2012年4月19日

4月になり,新しい生活が始まった方も多いと思います.

引越しで腰を痛めたり,長時間のデスクワークで腰痛を発症したり,いままで腰痛の経験がなくても,ぎっくり腰を起こすことがあります.

重いものを持ち上げるときは,必ずしゃがんで膝で持ち上げるようにしてください.

長時間デスクに向かっている方は,座り方に注意.背筋が伸ばせるように椅子を調整してください.調整の仕方は稲毛整形外科ホームページの腰痛対策・予防をご覧ください.

腰椎圧迫骨折|セメント注入

腰椎圧迫骨折バルーン療法暑い夏も終わり,勉強の秋.千葉でも研修会が目白押し.

当院で先進医療を行っているわけではありませんが,最新の医療情報に触れておくことは患者さんの治療の選択肢を広げる意味でも開業医といえど必須です.

昨日の研修会では,今まで治療が困難だった陳旧性腰椎圧迫骨折にラブ注入ならぬセメント注入療法が紹介されていました.当院にもときどき,この手術をインターネットで知った若い世代の方が,お母さんをつれてご相談に来られます.

わかりやすくセメント注入療法と紹介しましたが,正式にはバルーン椎体形成術(BKP)といい,背骨がつぶれてしまったいわゆる腰椎圧迫骨折に骨セメントを注入し,固まらせることで痛みを改善させる手術で,手術直後より痛みがなくなるというもの.現在のところ,急性期の圧迫骨折には適応がなく,背骨の骨折から8週間以上経過してもなお痛みと変形が続いている場合に適応があります.

2000年代前半から一部の施設で自費で行っていた手術ですが,2011年1月から健康保険適応となりました.受傷直後に行う施設もあるようですが今のところは陳旧例にかぎり行うよう推奨されています.

千葉県内でも千葉大学医学部附属病院他,4施設で手術を受けることが可能.詳細は骨粗鬆症性椎体骨折に対するバルーン椎体形成術(BKP)をご覧ください.

PS 夢のような治療法ですが,現在のところ手術適応(手術対象となる病状かどうか)はかなり限られています.最終決定は手術をする先生と相談される必要がありますが,いきなり大病院に殺到するのではなく,近くの整形外科医に評価してもらい,手術適応があるかどうかあらかじめご相談されることをお勧めします.

腰椎椎間板ヘルニア|2枚じゃだめなんですか


肩こりや腰痛でレントゲンを撮るときは,正面からと側面からの二枚に加え,前屈,後屈時の側面像を加えて撮影します.

右図は,一見正常に見える腰椎側面の写真です.写真にカーソルをあわせて,前屈時の状態を比べてもらうと,第4第5腰椎の間にある椎間板(矢印部)の動きが,他の椎間板に比べて大きい(ぐらぐらしている)ことがわかり,椎間板ヘルニアや椎間板症を起こしていると予想できます.