太ももの肉離れと診断された大学生.3ヶ月間,毎週欠かさず他治療院に通院.よくなるどころか,だんだん痛みが強くなるので当院受診.初診時,肉離れの診断に明らかに違和感を感じ,MRIを撮影してみた.
案の定,左図MRの膝正面像にて,左側(黄矢印)の筋肉が,右側の筋肉に比べ白っぽく,むくんでいた.
ひざ痛
太ももの肉離れと診断された大学生.3ヶ月間,毎週欠かさず他治療院に通院.よくなるどころか,だんだん痛みが強くなるので当院受診.初診時,肉離れの診断に明らかに違和感を感じ,MRIを撮影してみた.
案の定,左図MRの膝正面像にて,左側(黄矢印)の筋肉が,右側の筋肉に比べ白っぽく,むくんでいた.
どこの誰が言い出したのか?
膝の水を抜くとくせになる?
診察でも,患者さんによく聞かれます.
答えは,Yesでもあり,Noでもあります.
膝のスポーツ外傷で半月板や靭帯を損傷した際にたまった水(関節液)は,膝に水がたまる原因(膝軟骨損傷や,膝靭帯損傷,膝半月板損傷)が軽度であれば,受傷後早期に抜いてあげると,膝の可動域(曲がり)が保たれ,その後のリハビリが早く,早期スポーツ復帰が可能となります.
しかし,膝に水がたまる原因(膝軟骨損傷や,膝靭帯損傷,膝半月板損傷)が治らないまま無理な運動をすると,漫性滑膜炎をおこし,再度水がたまり,水を抜いたら動けるようになり,膝に水がたまり,また水を抜く.という悪循環におちいります.
1週間前,スポーツで膝を捻挫して膝に水がたまって,膝が曲がらなくなった学生
初診時は1人で来院,強硬に注射を嫌がったので,MRIを予約して,アイシングとテーピング.今日はお母さんと来院され,MRI検査の結果,前十字靭帯不全損傷.
1週間経っても,膝に水がたまった状態で,膝が30度も曲がらない.お母さんにも説得してもらい,半ば強制的に関節穿刺(膝に針を刺してたまった水を抜く処置)! 注射針を刺す間,おなかをつねると痛くないよ.といって,膝の水を抜いたところ,すぐに膝が90度楽に曲がるようになり,本人も喜んでくれました.
膝の水を抜いている間,おなかがつまめないといいながら泣いていましたが,何とか手元だけはぶれずに膝の水を30cc抜くことができました.(正常値は多くても2-3cc)
私の腹も,つまめないけど,皆さんは大丈夫?
症例1 膝外側の痛み(サブ4)
腸脛靭帯炎.典型例と違うのは,一回のフルマラソンで発症したこと.腸脛靭帯付着部(gerdy結節)の牽引性骨膜炎とでもいいましょうか,原因は初マラソンで6時間の申告で後方からスタート.周りのペースが遅いので,人をよけながら走ったらしい.初マラソンサブ4達成!おめでとうございます!
症例2 膝内側の痛み(サブ4)
膝蓋軟骨軟化症.1週間前に追い込みをしていて違和感を感じていたものの完走.3週前からランジ,スクワットなどで筋トレをしていたとの事.レントゲンではお皿の形が悪く,予想可能なランニング障害でした.それでも,サブ4達成!(拍手) しばらくリハビリが必要と思います.
症例3 足関節外側の痛み(サブ6)
腓骨筋腱損傷.ハーフあたりで足関節外側が急に痛くなり,以後歩いて何とか完走.軟骨損傷かと思いましたが,触診では腓骨筋腱損傷.捻挫と思って放置する場合が少なくありませんが,これが結構痛みが残ります.
まだまだ寒い時節で,トレッドミルでランニングされている方も多いと思います.
普段スポーツクラブで室内のトレッドミル(ランニングマシーン)で練習している女性.2ヵ月後の市民マラソン大会にエントリーして,実践練習を始めたとたん,膝痛が出て,来院.
膝の裏側のふくらはぎ(腓腹筋)の腱に圧痛があり,腓腹筋腱炎.超音波やアイシングしながらのストレッチで症状は取れましたが,原因を理解してもらわないと,きっと再発します.
トレッドミルでのランニングは自動的に回転しているベルトの上を走るため、体を前に押す動作が少なくてもそれなりに走れてしまいます.特にストライド走法の人は,ハムストリングや下腿三頭筋の刺激が全く足りません.
トレッドミルで,時速8km以上のランニング練習されている方は傾斜を1度つけてけりだしの負荷を増やしましょう.やはり週に1回くらいは外を走って,実際のランニングフォームにフィードバックしておくことはとても重要です.
ランニング時の膝痛をランナー膝と呼びますが,トレイルラン,いわゆる山走りから転向したランナーが膝痛で来院.
診察すると,腸脛靭帯が片側だけ突っ張っており,典型的な腸脛靭帯炎.今までトレイルラン10km走っても,一度も膝痛の経験はないとのこと.
患者さんを診ながら考えるに・・・
山は10km以上,平気で走れるのに(トレイルラン,クロスカントリーなどのほうが明らかにきついと思います),なぜ平地で膝痛が出るのか.足場の悪いトレイルランと異なり,接地面が一定のロードランニングでは常に同じ部位に負担がかかっているので.フォームがあっていなければ,すぐにランナー膝を起こすのだろうと思います.平地でのランニングを続けるには正しいランニングフォームで走ることが大事であることを改めて感じました.
今週末のマリンマラソンがんばってください.