仙骨腫瘍:重粒子線治療の治療費用は300万円|何年も変わらぬ腰痛は要注意!

 二年前から腰殿部痛で電気をかけていたがよくならず来院.なんとなく腫れている.

仙骨融解 レントゲンで矢印部の骨(仙骨)が溶けており,MRIを撮ってみると仙骨の表裏に広がる骨腫瘍. 

 慢性腰痛は,痛みのいい時,悪いときの波があるのと異なり,何年も常に変わらぬ痛みは要注意.

 場所が悪く,しかも大きすぎるので,手術できず,重粒子線治療を行った,

 重粒子線治療の治療費用300万円は,保険が効かないため,全額自己負担.

仙骨脊索腫 治療のかいあって握りこぶし2つ分の腫瘍が小指の先ほどに縮小.

 放置していたら,腫瘍が皮膚を突き破って,お尻にカリフラワーのような花が咲いていたはずです.

医療事務|GW終了 レセプトが…

今日から平常業務に戻りました.といっても連休中も暦どおりなので連休の合間も通常診療です.
クリニックの仕事は,診療時間中だけではありません.診療報酬請求するために,先月分のレセプトを毎月10日までに作成.国保,社保別にまとめて請求しなくてはいけません.(正月と5月は平日が少ないので大変!)

役場に出すレセプトは,並べ方も指定されているし,総括表も作らなければいけない,もちろん誤請求などあってはいけない.稲毛整形外科程度の小さなクリニックでも最低4晩は夜中まで残業しなくては終わらない量.

今日は木曜日.本当は毎週木曜定休の職員が2人自発的に出勤してくれていた.(感謝!) 連休明けの外来診療やレセプトを手伝ってくれ,午前予約診療は,混乱なく終了.午後も遅くまでレセプト残業していてくれた.

医療事務の仕事の宿命(毎月始めに診療時間外でレセプト作成)とはいえ.安易な動機で医療事務の仕事は続かない,大変な仕事です.今日も事務の皆さんありがとうございました!

バイオハザード

 新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスは,国立感染症研究所の病原体等安全管理規定によりバイオハザードレベル3(人に感染すると重篤な疾患を起こすが、他の個体への伝播の可能性は低いもの)に分類されている.

 ヒト-ヒト感染が容易に起こるように突然変異し,エボラ出血熱や天然痘と同じレベル4まではいかなくとも,バイオハザードレベルは3.5(規定には中間はないが)と警戒ラインに達している.

 ウイルスは,細菌と同じものと思っている方も多いと思うが,そもそも,ウイルスは生物ではなく,単体では増殖することはない,ただのたんぱく質である.ただ,核酸(遺伝物質であるDNAまたはRNA)と転写酵素(RNAウイルスは逆転写酵素)を構造に持っており,ヒトやトリ,ブタ等の細胞内に入ることで,自己増殖することができる.

 ウイルスの起源については,諸説紛々としているが,ウイルスが進化して生命が誕生したという生命起源説.細胞個々の役割分担を果たしている統合体としての生物から,勝手に活動を始めた分離独立説もある.後者であれば,ウイルスというものは,全く自己中心的な存在(よく言えば柔軟的,血液型ではB型)といえるが,これぞ種を維持するための生命の根源といえる.

 バイオハザードというと,映画やゲームを思い浮かべてしまうが,今まさに,現実の世界で,パンデミック直前.用心するに越したことはない.今回は毒性の低いブタ由来の新型インフルエンザということだが,トリ新型インフルエンザによるバイオハザードが現実とならないことを願いたい.

診断書発行義務|医師法第19条第2項(診断書発行義務)

診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会つた医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない。
●代理人からの診断書等の要求には下記刑法に基づき,患者本人または遺族の同意書が必要です.

刑法 第134条(守秘義務違反)

第1項 「医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」
●医師法第19条の診断書交付拒否の正当事由とは,未診断,癌患者に病名を隠している場合等(説明義務あり)を指します.

●虚偽の文書作成 (故意と過失の区別が問題.患者,遺族等の頼みで行うことは故意あるいは未必の故意に該当)

問われる責任:職責により重さが異なる (公務員は重い)

公文書偽造は刑法第157条の適用→罰則あり

私文書偽造は罰則なし (詐欺や公務所(市役所,警察など)に提出するものは別:刑法第160条)

死亡診断書 (死体検案書) は公務所に提出する私文書.

診断書の記載内容

医師の診断書については上記のように,いろいろな制約がある中で,正当な事由がなければ,これを拒んではならない.とされていますが,内容についてまでは言及されていません.

拒むべき理由まではないものの,医学的根拠がなければ,患者さんの希望どおりの診断書を書くことはできませんし,まして,因果関係がはっきりしない事象にまで言及することはできません,

例えば,診察で眼が腫れていたので,眼外傷により全治1週間を要するとは書けますが,何月何日の夫婦喧嘩で眼が腫れたとは,書けません.受傷後,早期の受診であれば,何日前の受傷であるかは推定できますが,打撲の原因は平手打ちの手形でも残っていない限りわかりません.

もちろん,何度もDVで受診されている方は,DVで受傷したという蓋然性(あってしかるべき事)があり,一医院のカルテ(私文書)といえど,司法の場では,個人の日記以上の証拠として認められると考えられます.

交通事故(人身事故)では,現在の症状に対する医学的根拠に基いて,警察に診断書を出さなくてはいけません.
何ヶ月も前の事故に対する診断書を書いてくれと頼まれることがありますが,その数カ月の間に,酔っ払って転んだかもしれないし,事故と現在の症状の因果関係を証明する何物もありません.

できれば,仕事が忙しくても受傷後,なるべく早く,受診していただきたいと思います.

医師国家試験合格発表

今年も7500人以上の医師の卵が誕生!

合格おめでとうございます.

後輩が,引越しの準備が大変といっていたので

当直セットだけでいいよ

と教えておいた.

しばらく大変だけど,

いい社会人になってください!