アイシングについて

 7月になり,ことしも蒸し暑い季節がやってきました.今日はほのぼのとした話題….

 アイシングは急性の外傷や痛みに非常に有効な手段で,受傷直後から冷やしてきた患者さんは明らかに,腫れも痛みも治まっており,その後の経過が順調なようです.

 が,いまだに怪我してから,湿布で冷やした.という患者さんも多く見られます.冷湿布でも,冷感は得られますが,アイシングは氷やアイスパックを使って冷やしてください.

 先日,膝を骨折して足にギプスを巻いたおばあちゃん.暑がって鋏でギプスを切るのなんのと騒ぎ出し,おじいちゃんがギプスの上から湿布を貼ってあげたら,落ち着いたそうです.

 今日は涼しい顔で,ギプスの上に白い湿布を張って来院されました.痛くなってきたら,クーラーのきいた部屋で,ギプスの上からでも,氷で冷やしてみるよう,説明しました.

 アイシングは氷で冷やしてください

 今日一番のほのぼのとした空気が診察室に流れました.

腰椎圧迫骨折|想定内

 サッカーで殿部から落ちた男性.受傷時は骨折に見えませんが,痛みが強く,圧迫骨折を疑い,安静とギプスで治療しました.このときの安静とは排泄を含み,すべてベッド上安静の指示.入院を強く勧めたものの,なるべく安静にする約束で,外来治療.

 どれくらい安静にしていてくれたかは,わかりませんが,案の定,1/3ほど高さが潰れてきたものの,想定内でおさまりました. 

腰椎圧迫骨折は骨粗しょう症の高齢の女性に多く見られますが,

若い男性でもスポーツ外傷によって腰椎圧迫骨折を起こします.(詳細ページは画像をクリック)

腰椎圧迫骨折 受傷直後腰椎圧迫骨折 1ヵ月後

 上の二枚の写真,画像ソフトで修正を加えた様に見えますが,矢印を入れただけ.

 斜めに走っている肋骨の影を比べてもらえば,一目瞭然.

 右は1ヵ月後の写真です.骨折した下の椎体など,重ねてみるとほぼピタリと一致します.

 正確な診断は,レントゲン技師が,日々,正確な写真を撮っているからできるんです.

 青島宏之君,これからもよろしくおねがいします.

原発不明癌|慢性腰痛でも転移性腫瘍

 以前より腰痛があり,数週間でおさまっていたが,今回はいつもより痛みが強く,回復も遅いので来院. 

原発不明癌 レントゲンでは第4第5腰椎の間の椎間板が狭く,骨棘(骨のとげ)もみられ,変形性脊椎症の所見.しかし,診察所見と合わないため,MRを撮影してみると,骨の色が明らかに異なり,外傷または腫瘍が疑われた.

 後に,転移性腫瘍(癌転移)であることが判明した.軽微な外傷で,骨折するので,痛みが引くことはまれ.

 癌が,骨、肝臓や肺などの離れた臓器に転移するまで明らかにならないことがしばしばある.これらは原発不明癌と分類され,癌全体の2~4%に見られる.