膝の後ろにこぶし大の腫瘤.硬いしこりのようなものを触れる場合はほとんどが膝窩嚢腫(ベーカーのう腫)です.
膝窩嚢腫でMRIをとることはめったにありませんが,この方の場合は大腿裏までグニュッとした触感で,軟部腫瘍と鑑別のためにMRIを撮影.
右のMRI画像は膝の縦断面で右側の白い部分がすべて水で,大腿裏側まで広がる膝窩嚢腫でしたが,やわらかい腫瘤の場合は色素性絨毛性滑膜炎や腫瘍を考えなくてはいけません.
昨春,毎月テーマを決めて腰痛から連載を始めた”ナン君におまかせ!ランナーのための痛み解消クリニック”.前々号の膝特集からいよいよ佳境に入り,今月のテーマは足関節.
足くびの捻挫は多くのランナーの経験するところですが,足くび外側の捻挫だけでも前距腓靭帯損傷,脛腓靱帯損傷,腓骨遠位端骨折,後腓骨筋腱脱臼,第5中足骨骨折など,微妙に障害部位が異なります.実際の患者さんでは,これらの複数損傷部位の組み合せに,重症度が加わり,さらにライフスタイルも勘案し,固定方法,治療期間を考えています.
簡単に1コラムでまとめてありますが,足関節捻挫だけで2回分は語れます.(発売日:2010.5/8)
日本経済新聞・土曜日版「NIKKEIプラス1」にランニング障害の取材記事が掲載されました.
膝関節周辺のランニング障害は股関節や肩関節等と比べると筋肉が少なく,痛い場所がはっきりわかるので,ある程度自己診断もできると思いますが,スポーツ整形外科では,原因に対する対応策,障害部位に応じたストレッチ法の指導を行います.
指でここが痛い!と示すことができないような膝の奥の痛みは,靭帯や半月板,軟骨の障害であることが多いので,どこが痛いのかはっきりしないときはスポーツドクターのいる”整形外科”を受診してください.