20年前の医師数を100人として,10年前は126人.現在143人.
この10年で増えた17人分はどうなっているのでしょうか?
医師不足の原因の一つは新臨床研修医制度 =医局崩壊?,もう一つは女性医師の増加です.
昔の女性医師は100人中11人 現在は143人中26人に ふえました.
この10年では3人に一人が女性医師.
一方,高齢化して統計から外れていく医師(1.8人)の9割は男性なので,男性医師が9人増加,
女性医師も9人とほぼ同数で,全体に占める女医さんの割合は18%まで上昇.
しかし,女性医師の50%弱は10年以内に離職し,再就職率は50%弱であることから
この10年で増えた11人のうち5人の女性医師が離職.
研修医制度のため2年は当直も一人でできない半人前扱いのため,
毎年4人相当が増えていくはずの医師数は,2年分がプールされ8人減.
それに輪をかけて研修先の自由選択,半数は医局に残らず,都会の病院を選択します.
一昔の医局は,10年で増えた26人の内,女医が4人,離職半分として純増22人.
9割方は大学の医局に残るため,20人の入局者を迎えていたことになります.
90年代に20人増えた医局員増が6人になれば,徐々に関連病院を離れ,
開業や就職で減っていく医局に若手の派遣医師がいなくなるのは,明らかです.
現実に戻って2000倍すると不足人数は2800人.あながち,いい加減な計算でもなく,
少なくとも半分の1400人ぐらいは足りなくなってしまった気がします.
もしかするとそのまま2800人以上ということもあり得る話です.
毎年の医師合格者数は7700人,純増は3500人程度なので時間が解決するかもしれません.
今,研修中の6人の研修医の行く末もしっかりと考える必要があります.
2年の研修が終わるとそのまま就職できるのは1人か2人とすると,
最大8000人の研修先をあぶれた若手医師が,先輩の指導を受けるでもなく,
この先10年以内に市中にあふれ出すことになります.
研修医制度?はまだまだ問題が出尽くしていませんが,
2年分,あと戻りした医師数の回復と女性医師の活用ができても,
医師数が増えるだけで,人気のない病院にまた,選択の自由を味わった若手医師が戻ってくるとは限りません.
PS 毎年の医師合格者数は7700人,純増は3500人程度です.