頚椎脊柱管狭窄症による頚椎症性脊髄症|セカンドオピニオン 頚椎手術

 頚椎症性脊髄症の初発症状は手指のしびれ64%,歩行障害16%といわれており,必ずしも頚部痛や肩こりが伴うものではない.

先日来院された患者さんは1ヶ月前からの足のふらつきで発症.すでに千葉の病院で正確な診断を受け,手術を勧められている.

 この患者さんは気がついていなかったが,頚椎症性脊髄症による膀胱直腸障害(頻尿,便秘)や下肢腱反射亢進もみられ,高度な機能障害例や進行例には早期の手術療法が勧められています.まだ早いかなと思うぐらいの方が手術成績はいいのです,

 たいした症状でもないのに,いきなり手術といわれ,戸惑う気持ちも十分わかります.最初の先生が信じられないのではなく,おそらく自分の病気が信じられないのだと思います.もう一件,都内の有名病院を予約しているとの事,同じ事を言われたら,最初から経過を診られている主治医の先生を信頼して治療されるよう,勧めさせていただいた.

PS 頚や腰のヘルニアでも尿が出なくなったら,24時間以内(可及的早期)に,神経の圧迫を取り除く処置(除圧手術等)が必要です.

肩関節関節唇損傷や腱板損傷

 新学期を迎え,この1週間,非常に気になっていることがあります.

 中学生になって,硬式野球クラブチームに転向した野球少年が野球肩や腰痛で受診することの多いこと,多いこと.WBCの2連覇という,歴史的快挙に触発されたのか,実際にどのくらいの新中学生が,硬式野球に転向したのかわかりませんが,今年はとみに多く見られます.

 中学校の3年間は成長期で,本当に身長が伸びます.中学生になって,成長ホルモンの分泌も活発になり,骨も伸びる準備をはじめて,骨の成長軟骨がやわらかくなっています,冬が終わり,春の到来とともに,雪解け水で地面が柔らかくなり,植物が芽を出そうとしているのと同じ状態です.

 そのような時期に,今まで慣れ親しんだ軟式ボールから,重くて硬い,硬式ボールや,硬式のバットに変えてしまうとどうなるか?一部の生徒は適応できますが,筋力もない,骨も柔らかい,新入生は壊れてしまうことでしょう.肩関節の関節唇損傷や腱板損傷を起こす前に,骨が悲鳴をあげて,上腕骨の疲労骨折や,骨端線離開(骨折の一種)を起こしてしまいます.

 早くから,硬式野球に変更させるメリットも否定はできませんが,高校生になってから硬式野球に転向しても,半年で追いつけるという意見も見られます.学校のクラブ活動には所属せず,クラブチームで硬式野球をさせるのが,はたして良いのか難しい所です.子供の成長を楽しみながら,でも,無理をさせずに,暖かく見守ってあげる事も大切かと思います.

カテゴリー:

中足骨疲労骨折?モートン病?|足の甲の痛み

疲労骨折 この1ヶ月,職場を変わり,歩きすぎて足の甲が痛くなり,なかなか痛みが取れないので来院.健康保険に入っておらず,自費では初診とレントゲンだけでも5千円を超えてしまうので,触診で,モートン病と考えたものの,圧痛と腫れが気になり,レントゲンを撮らせていただいた.


 漫然と見ていれば何も見えないが,モニター画像を拡大すると,第2中足骨の母趾側の皮質骨がホンワリとぼけており,疲労骨折だった.

疲労骨折拡大 モートン病は中年の女性に多く,確率的には,Freshmanにはまず認められない.治療方法もモートン病と疲労骨折では全く異なります.

 

カテゴリー:

膝の水を抜くとくせになる?|膝関節水腫

どこの誰が言い出したのか?

膝の水を抜くとくせになる?

診察でも,患者さんによく聞かれます.
答えは,Yesでもあり,Noでもあります.

膝のスポーツ外傷で半月板や靭帯を損傷した際にたまった水(関節液)は,膝に水がたまる原因(膝軟骨損傷や,膝靭帯損傷,膝半月板損傷)が軽度であれば,受傷後早期に抜いてあげると,膝の可動域(曲がり)が保たれ,その後のリハビリが早く,早期スポーツ復帰が可能となります.

しかし,膝に水がたまる原因(膝軟骨損傷や,膝靭帯損傷,膝半月板損傷)が治らないまま無理な運動をすると,漫性滑膜炎をおこし,再度水がたまり,水を抜いたら動けるようになり,膝に水がたまり,また水を抜く.という悪循環におちいります.

1週間前,スポーツで膝を捻挫して膝に水がたまって,膝が曲がらなくなった学生

前十字靭帯損傷 初診時は1人で来院,強硬に注射を嫌がったので,MRIを予約して,アイシングとテーピング.今日はお母さんと来院され,MRI検査の結果,前十字靭帯不全損傷.

1週間経っても,膝に水がたまった状態で,膝が30度も曲がらない.お母さんにも説得してもらい,半ば強制的に関節穿刺(膝に針を刺してたまった水を抜く処置)! 注射針を刺す間,おなかをつねると痛くないよ.といって,膝の水を抜いたところ,すぐに膝が90度楽に曲がるようになり,本人も喜んでくれました.
膝の水を抜いている間,おなかがつまめないといいながら泣いていましたが,何とか手元だけはぶれずに膝の水を30cc抜くことができました.(正常値は多くても2-3cc)

 
私の腹も,つまめないけど,皆さんは大丈夫?

診断書発行義務|医師法第19条第2項(診断書発行義務)

診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会つた医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない。
●代理人からの診断書等の要求には下記刑法に基づき,患者本人または遺族の同意書が必要です.

刑法 第134条(守秘義務違反)

第1項 「医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」
●医師法第19条の診断書交付拒否の正当事由とは,未診断,癌患者に病名を隠している場合等(説明義務あり)を指します.

●虚偽の文書作成 (故意と過失の区別が問題.患者,遺族等の頼みで行うことは故意あるいは未必の故意に該当)

問われる責任:職責により重さが異なる (公務員は重い)

公文書偽造は刑法第157条の適用→罰則あり

私文書偽造は罰則なし (詐欺や公務所(市役所,警察など)に提出するものは別:刑法第160条)

死亡診断書 (死体検案書) は公務所に提出する私文書.

診断書の記載内容

医師の診断書については上記のように,いろいろな制約がある中で,正当な事由がなければ,これを拒んではならない.とされていますが,内容についてまでは言及されていません.

拒むべき理由まではないものの,医学的根拠がなければ,患者さんの希望どおりの診断書を書くことはできませんし,まして,因果関係がはっきりしない事象にまで言及することはできません,

例えば,診察で眼が腫れていたので,眼外傷により全治1週間を要するとは書けますが,何月何日の夫婦喧嘩で眼が腫れたとは,書けません.受傷後,早期の受診であれば,何日前の受傷であるかは推定できますが,打撲の原因は平手打ちの手形でも残っていない限りわかりません.

もちろん,何度もDVで受診されている方は,DVで受傷したという蓋然性(あってしかるべき事)があり,一医院のカルテ(私文書)といえど,司法の場では,個人の日記以上の証拠として認められると考えられます.

交通事故(人身事故)では,現在の症状に対する医学的根拠に基いて,警察に診断書を出さなくてはいけません.
何ヶ月も前の事故に対する診断書を書いてくれと頼まれることがありますが,その数カ月の間に,酔っ払って転んだかもしれないし,事故と現在の症状の因果関係を証明する何物もありません.

できれば,仕事が忙しくても受傷後,なるべく早く,受診していただきたいと思います.