後脛骨筋腱機能不全症

ランニングスタイル17 足が痛くて病院にいったのにレントゲンは異常なしといわれたことはありませんか?ぶつけてもいないのだから骨にひびが入るわけもないし・・・後脛骨筋の機能を理解すればかなりのアスリートの助けになると思います.

後脛骨筋腱機能不全症の原因と病態

足を底屈・内反させる後脛骨筋腱の機能障害により踵骨が内側に傾き,足縦アーチを低下させ,扁平足,足底腱膜炎,外反母趾へと連鎖していきます(オーバープロネーション).後脛骨筋腱の機能障害を起こす原因にはランニングフォーム,靴,O脚などさまざまな要素があり,原因の究明が治療に直結します.

後脛骨筋腱機能不全症の診断と治療

下肢アライメント,足アーチの柔軟性,可動性をチェック.腰膝など他部位の障害を否定し,運動方法,生活状況などの詳しい問診が必要です.
大腿・下腿後面の筋肉のストレッチ・不安定板を使ったバランス訓練,足底筋筋力強化,に加え足底板,テーピングによる足のアーチサポートや消炎鎮痛処置を行います.

オーバープロネーション

ランニング障害で問題となる,オーバープロネーションの原因のひとつに後脛骨筋腱機能不全症があげられますが,同義ではありません.

オーバープロネーションの原因

プロネーション(pronation,回内)とは,足首を内側に回す動きの事で,プロネーション自体は,着地時に踵の衝撃を和らげる生理的な動きで,異常ではありません.オーバープロネーションはその動きが,過度になり,足首が内側へ倒れこみすぎてしまう事で,膝鵞足炎,扁平足,外反母趾足底腱膜炎シンスプリント等,様々な障害を起こす原因となります.ランニング中のオーバープロネーションを防ぐ手段として,オーバープロネーター用のランニングシューズも販売されていますが,日常生活においても支障がある場合は,原因に対する対策も必要となります.