足底筋膜炎

足底腱膜炎踵骨付着部剥離骨折朝起きた時のはじめの一歩目,二歩目がかかとから足がつけないほど痛い方はおそらくこの病気を疑う必要があります.

足底筋膜炎の原因と病態

足底筋膜炎は足の縦アーチの低下により足の裏やかかとの痛みをきたす疾患です.縦アーチを弓矢の弓にたとえると足底筋膜が弦の役割を果たしていますが,ランニングや歩きすぎ,立ち仕事等,何らかの原因で負担がかかり,引き伸ばされ,炎症を起こすものと考えるとわかりやすいと思います.足底腱膜炎とも呼ばれます.
初期は起床時,痛みで足がつけないものの,少しすると歩けるようになるため,症状が悪化してから来院される場合が多く見られます.
進行すると,1時間ぐらい坐った後の歩きはじめなども痛くなり,重症になると踵の痛みのため,歩行困難になります.

足底筋膜炎の診断と治療

足底筋膜炎の診断は下肢アライメント,足根骨,アーチの柔軟性,可動性に加え,靴の種類,状態をチェック.一日の歩行量,トレーニングなどの詳しい問診が必要です.
レントゲンで踵骨棘などが見られることもあり,ひどくなると踵骨付着部での剥離骨折を起こしていることもあります.
ランニングで追い込んでいくと,多くのランナーが経験する足底の痛みは,その10%程度が足底筋膜炎で,靴のインソールやランニングフォーム修正が必要な場合も少なくありません.
足底筋膜炎の治療は保存療法(リハビリや安静)が原則で,大腿・下腿前後面の筋肉のストレッチ・不安定板を使ったバランス訓練,足底筋筋力強化に加え,足底板,テーピングによる足のアーチサポートや,超音波治療を行います.多くの場合はリハビリをして,活動度(スポーツアクティビティ-)を下げると軽快していきますが,6か月以上症状が残る難治例が10%程度見られます.

足底筋膜炎の手術療法

有森裕子さんが,手術した足底筋膜炎には,多くの方が書き込みされてます.青竹踏みは急性期の足底腱膜炎は悪化させることが多いので注意!手術療法は一般的ではなく,足底腱膜炎は再発することが多く,原因を除去することが先です.最近では衝撃波を使い,切らずに治す治療法も開発されています.

足底筋膜炎の体外衝撃波治療

その昔,有森裕子さんは,足底筋膜炎の手術をしましたが,現在では尿管結石を破砕するために広く使われている体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)が足底筋膜炎の治療に応用されており,難治性の足底筋膜炎に効果をあげています.
整形外科での体外衝撃波療法(ESWT)はヨーロッパを中心に普及し、足底筋膜炎など多くの疼痛性疾患の除痛を目的とした治療に応用され,スポーツ選手を中心に,低侵襲で安全かつ有効な治療として使用されています.主な対象疾患は保存療法を6か月以上受けても効を奏さない難治性の腱付着部炎で,石灰沈着性腱板炎,テニス肘,ジャンパー膝,アキレス腱付着部炎,足底筋膜炎等です.体外衝撃波治療は千葉大学病院,船橋整形外科で行われています.

診療日記リンク

足底筋膜炎|朝日新聞に掲載されました