ランナー膝

ランナー膝・ランニング障害

日本経済新聞 ランニング障害の取材記事

ランナー膝はランニングによる膝痛のことを指しますが,狭義には腸脛靭帯炎のことを指します.
腸脛靱帯炎はランニングによるランニング障害(膝スポーツ障害)の代表で,マラソンなどの長距離ランナーに好発します.
初期は運動後に痛みがありますが,一過性のため,ランニングを続けていると次第に走行時も痛みがあり,走れなくなります.

ランナー膝の原因と病態

膝の屈伸運動を繰り返すことによって大腿外側の腸脛靱帯が膝の外側の骨隆起(大腿骨外顆)とこすれて炎症を起こし,疼痛が発生します.主因はオーバーユースですが,走行距離,時間に加え,筋力,フォーム,柔軟性,靴,O脚など,さまざまな要因があります.

ランナー膝の診断と治療

大腿骨外顆周辺に限って圧痛を認め,腸脛靱帯靱帯の走行に沿って疼痛が放散します.grasping testが陽性になります.
ランナー膝は保存療法が原則.第1に局所の安静が重要です.原因があればそれに対する対策を講じ,改善が見られなければランニングを休止します.患部のストレッチ,アイシング,さらに消炎鎮痛剤の投与や,超音波などの物理療法を行います.

PLC損傷

ランナー膝と言われたものの,膝の外側だけでなく,膝裏にかけて放散する痛みは,PLC損傷や膝窩筋炎が疑われます.狭義のランナー膝=腸脛靭帯炎で,PLC損傷や膝窩筋炎も広義のランナー膝といえますが,治療法は異なります.なかなか膝裏の痛みが取れない方はご相談ください.

ランニング障害

ランニング障害とは過度のランニングによる使いすぎ症候群であり,障害部位は下半身,腰や股関節,特に膝関節周辺や足などの部位が多くを占めます.