コンディショニング

コンディショニングについて

コンディショニングとは、運動競技において最高の能力を発揮できるように、精神面・肉体面・健康面などから状態を整えることです。コンディショニングの目的は、体調管理やケガ予防、パフォーマンス向上などにあります。コンディショニングには、以下のような要素が関係しています。

  • 体力面:筋力トレーニング、柔軟性トレーニングなど
  • 精神面:ストレスケア(オーバートレーニング・気候・体調・病気・プレッシャーなど)、メンタルトレーニングなど
  • 技術面:バイオメカニクス(動作解析)など
  • 医療面:スポーツ医学、アスレチック・リハビリテーション
  • 栄養面:スポーツ栄養学
  • 環境面:運動生理学

これらの要素は、相互に影響し合っており、バランスが重要です。例えば、栄養が不足すれば筋力トレーニングの効果が低下し、精神的なストレスが高まれば技術的なミスが増える可能性があります。また、個人差や目標に応じて、コンディショニングの方法や内容も変わってきます。そのため、コンディショニングを行う際には、自分の体や心の状態を把握し、科学的な根拠に基づいた指導やアドバイスを受けることが望ましいです。

コンディショニングは、運動競技だけでなく、日常生活や仕事においても有効です。コンディショニングを通じて、自分の体や心をコントロールする能力を高めることで、健康や美容、幸福感などの向上につながります。コンディショニングは、一時的なものではなく、継続的に行うことで効果が現れます。正しい生活習慣や運動習慣を身につけることが、最良のコンディショニングと言えるでしょう。

トレーニングの種類

ピリオダイゼーション

トレーニングの効果を最大限に発揮させるためには,期間(トレーニングサイクル)を区切って,メリハリのあるトレーニングメニューを構築することが必要です.だらだらと漫然と同じ内容で勉強や仕事をしていても,作業効率がはかどらないのと同じです.(GAS理論)
トレーニングサイクルも1週間単位の短期から,中期(3-6週),長期(半年-1年)に分けて,各周期ごとの目標設定と達成度の評価を行うことで,オーバートレーニングによるスポーツ障害を予防し,目標の達成を確実にすることを目標とします.

ピーキング

ピーキングとは,目的とする試合での勝利に向け,限定された期間の中で,体調(医学的)管理,栄養管理精神管理まで含めた調整のためのコンディショニングの事をいいます.

スポーツ競技におけるピーキングとは、重要な試合や大会に向けて、自分の最高のパフォーマンスを発揮できるように、トレーニングや栄養、メンタルなどの調整を行うことです。ピーキングの目的は、試合の瞬間に自分の持つ能力を最大限に引き出すことで、目標や記録を達成することです。

ピーキングの方法は、競技や個人によって異なりますが、一般的には以下のようなポイントがあります。

  • テーパリング:試合に近づくにつれて、トレーニングの量や強度を徐々に減らしていくことで、疲労を回復させてパフォーマンスを向上させることです。テーパリングの期間や方法は、競技の特性や個人の体質や経験によって調整します。スポーツ生理学的研究でトレーニングの量・頻度を減らしても強度を維持すれば,パフォーマンスの低下よりも,筋肉疲労や軟骨損傷が回復することにより,競技成績の向上が望める.との研究結果が報告されています.テーパリングの期間は1ー2週間、練習強度(量)は通常の3分の1程度とされています.テーパリングの期間が長すぎると,体がなまってしまいます.
  • 栄養管理:試合前には、エネルギー源である炭水化物やクレアチンなどを十分に摂取することで、筋肉のグリコーゲンやクレアチンリン酸を増やしてパフォーマンスを高めることです。また、体重や体脂肪率なども適切な範囲に保つことが重要です。
  • メンタルトレーニング:試合前には、自信やモチベーションを高めたり、リラックスしたりして、心理的なストレスを軽減させることです。メンタルトレーニングには、イメージトレーニングや呼吸法などが有効です。

ピーキングは、スポーツ競技で成功するために欠かせない要素です。しかし、ピーキングは一朝一夕にできるものではありません。長期的な計画と継続的な努力が必要です。また、自分の身体や心の反応をよく観察し、必要に応じて調整する柔軟性も大切です。ピーキングは個人差が大きいので、自分に合った最適な方法を見つけることが重要です。

ダイナミックストレッチング

ストレッチングは,関節可動域を広げ,筋肉をのばすことで,スポーツにおける外傷や障害を予防することができます.しかし,静的ストレッチングで伸ばされた筋肉は,感受性(反応)が低下し,筋力低下を招くので,瞬発系の競技に 静的ストレッチングは禁忌.という研究結果があります.

ダイナミックストレッチングとは、筋肉や関節を動かしながら柔軟性を高めるストレッチの一種です。ダイナミックストレッチングは、運動前のウォーミングアップに適しており、血流や神経伝達を促進し、パフォーマンスやケガの予防に役立ちます。ダイナミックストレッチングの例としては、腕回し、足上げ、腰ふりなどがあります。
現在では,動的ストレッチングを,ウォーミングアップに取り入れたダイナミックストレッチング,アクティブウォームアップが推奨されています.(Rosenbaum and Hennig,1995)

ダイナミックストレッチングは、自分の体に合わせて動作の範囲や速度を調整することが重要です。ダイナミックストレッチングを行う際には、痛みや違和感を感じないように注意してください。