筋力トレーニング

スポーツリハビリテーション

 スポーツ競技では,あらゆる動作で最大パワー(最大筋力×最大スピード)が要求されます. 最大筋力を上げるには筋量(筋線維の数)を増やせば簡単ですが,柔道,ボクシング,レスリングなど,スピードとスタミナに加え,体重別競技で減量が要求される格闘技系競技では筋肉量の増大はマイナスとなります.
マラソン競技など,持久系の競技でも基礎代謝量(生きているだけで消費されるエネルギー)が高いと,不利になり,筋肉の量だけではなく,質を高めるトレーニングが必要になってきます.
以前,柔道女子で世界的に活躍されている選手を診察する機会がありました.その筋肉は美しく,柔らかく,張りのある,サラブレッドを見ているような感動を覚えました.これだけは天性のものかもしれませんが,それを世界レベルに昇華させる努力も見逃せません.
これからのトレーニングでは,各々のスポーツ競技に最適化された筋力と筋肉の質が求められています.

筋力トレーニングの方法

筋力トレーニングとは、筋肉に負荷をかけて強化する運動のことです。筋力トレーニングには、自重トレーニング、ウエイトトレーニング、マシントレーニングなどがあります。筋力トレーニングの効果は、筋肉量の増加、基礎代謝の向上、姿勢の改善、骨密度の向上、疾患予防などが挙げられます。筋力トレーニングを行うには、以下のポイントに注意しましょう。

– 目的や目標に合わせてトレーニングメニューを選ぶ
– 筋肉に十分な刺激を与えるために、重さや回数、セット数、休憩時間などを調整する
– 筋肉のバランスを考えて、全身の筋肉を均等に鍛える
– 筋肉が回復するために、トレーニング後は栄養と睡眠をしっかりとる
– 筋肉が慣れないように、定期的にトレーニングメニューを変える
– 筋肉や関節に負担をかけないように、フォームや呼吸法に気をつける
– 体調や気分に合わせて、無理せず楽しくトレーニングする

以上が筋力トレーニングの方法についての説明です。筋力トレーニングは、健康や美容だけでなく、精神的な強さや自信も高めることができます。ぜひ挑戦してみてください。

アイソメトリックトレーニング

アイソメトリックトレーニングとは、筋肉の長さを変えないまま、一定の負荷を掛け続けるトレーニングのことです。 例えば、壁に背中をつけて椅子に座ったような姿勢をキープする「空気椅子」や、腕立て伏せの姿勢から体を下ろした状態で止まる「アイソメトリック・プッシュアップ」などがあります。

アイソメトリックトレーニングには、以下のような効果が期待できます 。

– 引き締め効果:筋肉に負荷をかけたまま静止することで、筋肉の緊張感が高まり、引き締まった体を作ることができます。
– 筋力向上効果:筋肉に一定の負荷をかけたまま力を発揮することで、筋力が向上します。特に、通常の筋トレでは鍛えにくい筋力のピークや持久力に効果的です。
– 姿勢改善効果:体幹周りの筋肉を中心に鍛えることで、姿勢維持・姿勢支持に関与する筋肉が強化され、姿勢が改善されます。
– 関節・腱・筋肉への負担軽減効果:関節を動かさないため、関節や腱に無理な力が加わることが少なく、怪我のリスクが低減されます。また、筋肉も過度に疲労しないため、回復も早くなります。

アイソメトリックトレーニングは、器具が必要ない場合も多く、短時間で行えるため、自宅やオフィスなどでも気軽に取り組めるメリットがあります。ただし、呼吸を止めてしまわないように注意する必要があります。また、筋肥大効果はあまり期待できないため、筋肉量を増やしたい場合は、アイソトニックトレーニング(筋肉の長さを変えるトレーニング)と併用すると良いでしょう。

アイソトニックトレーニング

アイソトニックトレーニングとは、筋肉が一定の抵抗に対して伸縮運動を行うトレーニングのことです。アイソトニックトレーニングには、等張性短縮運動と等張性伸長運動の二種類があります。等張性短縮運動は、筋肉が収縮しながら力を発揮する運動で、ダンベルカールやベンチプレスなどが例として挙げられます。等張性伸長運動は、筋肉が伸展しながら力を発揮する運動で、ダンベルフライやスクワットなどが例として挙げられます。

アイソトニックトレーニングのメリットは、筋力や筋肥大、持久力などの向上に効果的であることです。また、自重や器具を使って様々な種目を行うことができるため、自由度が高く楽しみながらトレーニングできることもメリットです。アイソトニックトレーニングのデメリットは、重量や回数の設定によっては怪我や事故の危険性が高まることです。また、抵抗の向きや負荷の変動によって筋肉にかかる負担が不均一になりやすいこともデメリットです。

アイソトニックトレーニングを行う際には、正しいフォームで動作を行い、自分の能力に合わせた重量や回数を設定することが大切です。また、筋肉に最大負荷をかけるためには、コンセントリック収縮とエキセントリック収縮の両方をバランスよく行うことが必要です。コンセントリック収縮は筋肉を短くする動作で、エキセントリック収縮は筋肉を長くする動作です。コンセントリック収縮では速筋を活用し、エキセントリック収縮では遅筋を活用することができます。

アイソトニックトレーニングは、筋肉の伸縮運動によって多くの効果を得ることができるトレーニングです。しかし、その分危険性も高いため注意深く行う必要があります。自分の目的や体力に合わせて適切な種目や負荷を選び、正確なフォームで行えば、アイソトニックトレーニングは非常に有効なトレーニング方法となります。

超回復

筋肉は一定以上のダメージを受けると筋繊維に微細な損傷が生じ,2-5日で修復され,破壊される前のレベルより一時的に筋線維の量が増えることがわかっています.(数日筋トレをがんばっても痛いだけで継続しなければ意味がありません.)これを利用して,筋肉を痛めつけ,その後のプロテイン補給と休息で,筋量の増大,筋力アップを図ることができます.