試合中に胸が痛くなったが,相手とぶつかったものと思い放置.3日経ってもだんだん痛くなるので,ヒビでも入っているのかと来院.
肋骨骨折の有無をレントゲンで確認.どうもヒビは入っていない様子.触診でも痛みの場所ははっきりしない.気胸の可能性もゼロではないので痛みが強くなるようなら再来するよう説明.
ただ,週末でなんとなく気になったので,もう一回,レントゲンで胸全体を撮影(骨を見るための撮影と肺を見るための撮影は,撮影方法,カメラでいう露出がまったく異なる)
すると矢印のようにしぼんだ肺の影.肺に小さな穴が開いて徐々に空気が肋骨と肺の間(胸腔)にたまっていく気胸.土日はもちそうだが,持つという根拠もなく,早々に入院してもらった.
肺気胸というと呼吸困難があると思われますが,初期は胸や肋骨の痛みだけのことが多く,外傷がなくても気胸を起こします(自然気胸).胸腔に漏れ出した空気が肺や心臓を圧迫することもあり(緊張性気胸),注意してください.

フルマラソン後,1ヶ月たっても膝の内側の痛みがとれず来院.本人はランナー膝と思っていたとのこと.フルマラソンに向けてかなり追い込んだらしい.

ごくまれに誤解されている方もおられますが,MRI検査は万能ではありません.腱鞘炎やテニス肘,足底腱膜炎などは,MRI検査は不要です.