習慣性膝蓋骨脱臼

反復性膝蓋骨脱臼が年に数回はずれる,時々はずれるのに対し,習慣性膝蓋骨脱臼は,膝をまげると常に膝蓋骨が真横に脱臼している状態です.膝屈曲位では大腿四頭筋の筋力が効率よく伝わらず,起立時膝を手で支えないと立てない,転びやすいなど運動障害が著明で,先天的要素の強い病態です.

習慣性膝蓋骨脱臼の症状

習慣性膝蓋骨脱臼 習慣性膝蓋骨脱臼の症状は,膝をまげると膝蓋骨が横にずれるために大腿四頭筋の力が効率よく伝わらないため,力が入れにくい,転びやすいなどの運動障害を主とします.
痛みは少ないかほとんどないことが多く,先天的にはずれている人は,気がつかずに通常の生活ができている人も見られます.

習慣性膝蓋骨脱臼の原因と病態

習慣性膝蓋骨脱臼は,先天的要素が強く,生まれつき膝蓋骨の関節面と大腿骨側の溝の適合性が悪く,形の悪い人なりやすい素因を持っているといえます.伸展位では整復位にあるため,脱臼していることに気付かないケースがあります.
膝蓋骨,膝蓋腱は大腿四頭筋の筋力を効率よく下の骨(下腿骨)に伝える作用を持っています.膝蓋腱をクレーン車のワイヤーに例えれば,クレーン車の先端に滑車がついていて,重い荷物を効率よく持ち上げられるのに対し,滑車からはずれたワイヤーでは上がらないのと同じようなものと思ってください.(例えが下手ですみません)

習慣性膝蓋骨脱臼の診断と治療

習慣性膝蓋骨脱臼の診断は視診,触診だけで明らかで,レントゲンや関節鏡の検査をすると,膝蓋骨が外側へずれている(上図レントゲン)ので,簡単にに膝蓋骨脱臼・亜脱臼と分かります.膝蓋骨の内側に剥離骨片を認める場合もあります.
習慣性膝蓋骨脱臼の場合,大腿四頭筋が短縮していることがほとんどで,膝蓋骨がはずれないように手で膝蓋骨を押さえると,膝を曲げることができません.そこで習慣性膝蓋骨脱臼の治療は大腿四頭筋のストレッチからはじめますが,日常生活に支障をきたしていない場合も多く,全例手術治療を必要とするものではありません.