肘関節脱臼

肘関節脱臼骨折(小児上腕骨果上骨折)肘関節脱臼は,肘を伸ばして手をついて転倒した際、肘が過伸展されることにより,肘がはずれた状態となり,痛みとともに動かすことが困難となります.骨折を合併していることも多いため整形外科を受診し,骨折がないことを確認した上で脱臼を整復する必要があります.

肘関節脱臼の症状

外傷により,肘関節脱臼をおこすと肘がはずれた状態となり,痛みとともに動かすことが困難となります.外見上も肘の変形が明らかで,速やかにアイシングや固定を行うことが必要です.

肘関節脱臼の原因と病態

肘関節脱臼は柔道で手を突いた際や,格闘技での固め技,交通事故などの高エネルギー外傷で起こします.
肘関節は,通常やや反り返る程度まで,伸展できますが,このことが手を突いて転倒した際はあだとなり,過伸展されると,てこの原理で簡単にはずれてしまいます.同様に,柔道,レスリングなどの格闘技における関節技9本のひとつに数えられる,腕の固め技(腕ひしぎ十字固め,アームロック)を受けても,肘がはずれることがあります.

肘関節脱臼の診断と治療

肘関節脱臼は,上腕骨や尺骨などの骨折を伴って起こすことも多く,整形外科を受診し,レントゲンで骨折がないことを確認した上で脱臼を整復する必要があります.受傷後,肘関節の著明な変形が認められる場合は,骨折も疑い,アイシングと固定のみにとどめ,速やかに専門医を受診してください.
骨折を伴わない肘関節脱臼は,レントゲン透視下に整復が可能ですが,切れた靭帯や筋肉,腱が挟まっていたり,骨折を合併している場合は,再脱臼を起こすことが多く,手術が必要となることがあります.