胸郭出口症候群

胸郭出口症候群

胸郭出口症候群

稲毛整形外科千葉スポーツクリニックではMRIによる血管造影検査を行っています.胸郭出口症候群では手にいく神経ととも鎖骨下動脈や鎖骨下静脈が圧迫されており,MRIによる血管造影検査で補助診断が可能です.
このセクションでは頚部痛・肩こり手のしびれの原因となる,胸郭出口症候群の原因・病態・治療法について解説しています.

胸郭出口症候群とは

肩頚腕症候群の中にひどい肩こりの原因となる胸郭出口症候群と呼ばれる,原因のはっきりしている病気があります.肩こりと手のしびれや違和感は肩頚腕症候群や頚椎椎間板ヘルニアとの鑑別診断が必要です.

胸郭出口症候群の症状

頑固な肩こりや,頚を捻ったり,肩を反らしたりすると,腕や手指にしびれや鈍痛が走ります.頚が長く,なで肩の若い女性に多く見られます.
物干し作業やつり革につかまる姿勢で手がしびれてくる,だるくなる(3分間挙上負荷テスト)など,特定の肢位で症状が強くなります.

胸郭出口症候群の原因と病態

胸郭出口症候群の原因は腕や手に行く神経や血管の束が鎖骨周辺の筋肉や骨で圧迫されることで,症状を起こします.
胸郭出口症候群は,前斜角筋と中斜角筋の間で圧迫される斜角筋症候群,鎖骨と第1肋骨の間で圧迫される肋鎖症候群,小胸筋内で圧迫される小胸筋症候群,頚椎の横の骨(頸肋)で圧迫される頸肋症候群の総称です.

胸郭出口症候群の診断と治療

胸郭出口症候群の診断は,症状と病歴から診断できますが,モーレイテスト,アドソンテスト,ライトテスト等の誘発テストが有用です.上図のようにレントゲンで鎖骨の位置が通常より下方に位置し,側面像で通常肩の陰に隠れて見えない第一胸椎や第二胸椎まで確認できるときは胸郭出口症候群を疑う必要があります.診断を確定するためにはX線による血管造影やMRIで,血管や神経の圧迫を確認します.
胸郭出口症候群の治療は,生活指導とリハビリによる保存療法が基本となります.症状を悪化させる動作を禁止し、リハビリで,肩甲骨周囲の筋力強化,頚椎アライメントの修正を行います.難治例,重症例では,手術療法が有効です.

ストレートネック

胸郭出口症候群は先天的な骨格異常が関与していることが多く認められますが,長時間のデスクワーク,不良姿勢によるストレートネックの方も要注意です.
顔を前に突き出した姿勢をとると首の前側にある斜角筋が緊張します.また,肩をすぼめた姿勢では小胸筋が緊張し,これらの筋緊張が日常的に続くことで,斜角筋症候群や小胸筋症候群と同様の症状を呈します.