離断性骨軟骨炎|野球肘の再発は必ずレントゲンを

離断性骨軟骨炎

肘が伸ばせなかったら離断性骨軟骨炎の可能性大

野球肘は,投球動作で傷めた肘痛の総称で,肘が完全に伸ばせなくなったり,肘の外側にも痛みがある場合は要注意です.

肘が完全に伸びず,最終伸転でカチッととまってしまうものをtight endと呼び.痛みや関節拘縮でもう少し伸びそうな状態(soft end)と異なり,軟骨損傷や関節ねずみによるロッキングが疑われます.痛みで伸びない場合は,麻酔やリハビリなどで痛みがとれれば完全伸展可能となりますが,tight endの場合はいくらマッサージに通っても戻りません.

卒業式を控え,マッサージでしのいできた野球肘を診てもらいに来た学生さん.肘が20度ぐらい曲がったままで,完全に伸ばそうとしても伸びず,tight end.レントゲンでは外側の軟骨がでこぼこに削れており,離断性骨軟骨炎の末期.ここまでくると治療には1年以上かかるため,進学を期にサッカーなどに転向した方がよさそうです.

野球肘で投げられなくなるほど痛くなる野球少年の殆どは,今までにも1週間ほど休めば痛みが取れていたのが,今回はなかなか痛みが取れない.と来院されるケースが少なくありません.肘の痛みを感じたらまず1週間の投球禁止.投球再開して痛みが再発するようであれば,まずスポーツ整形外科を受診して,レントゲンで骨に異常がないかどうか調べる必要があります.

ランニング・スタイル 2011年4月号 Vol.29

Running Style(ランニングスタイル) 2011年 02月号 [雑誌]

Q1

以前からランニング中に違和感がありま

したが、特に最近、インターバルトレー

ニングを取り入れてから、股の付け根に

刺すような痛みを感じ、走れなくなりま

した。数日休むと少しは走れるのですが…

Q2

これまでは週に2回ほど走っていたので

すが、レースを目指して走る量を週5~

6回に増やしたところ、ヒザのお皿の外

側が痛むように…

ランニングにおける痛みに関する質問を

ランニング・スタイル編集部で募集中です。

肘の離断性骨軟骨炎,関節ネズミ

 オリックスの金子千尋投手(27)が7日、右肘に違和感を訴え、神戸に帰った。市内の病院で精密検査を受けた結果、9日に関節鏡による右肘遊離軟骨の除去手術を受けることが決定。復帰まで3か月以上かかる見込みで、前半戦の復帰は絶望的とみられる。

 金子千は5日に今キャンプ初めてブルペンに入り、19球を投げた。「肩の状態は問題ないけど、イメージした球筋では投げられてなかった」と不満そうで、6日にもブルペン入り。その直後に右肘に引っかかるような違和感を訴えた。社会人トヨタ自動車時代の04年5月に、右肘遊離軟骨による痛みが発症。手術を回避して05年にオリックスに入団し、2年目に1軍登板した経緯がある。

井筒明裕チーフトレーナー(47)は「一般的に1か月でボールを触り、(実戦で)投げられるまでは2、3か月ほど。投手なのでそれ以上かかることもある」と説明した。患部にとげ状の骨棘(こっきょく)があれば、復帰まで時間が余計に必要。術後1週間で抜糸し、宮古島に戻ってリハビリを行う。スポーツ報知

 

 ●肘の遊離軟骨  肘の離断性骨軟骨炎が悪化すると,関節の軟骨部分が剥がれ落ちて遊離体となり,関節の中をネズミのように動き回るので,”関節ネズミ”と呼ばれる.

 自転車のベアリングの中に砂をかけると動きがわるくなるのと同様,関節に引っかかりを生じたり,肘を完全に伸ばすことができなくなる.

 遊離体を放置すると,関節面を傷つけ,最終的には変形性関節症となり,関節が変形し,患部にとげ状の骨棘を生じ,痛みと可動域制限が残ります.