骨折の回復過程について|稲毛整形外科

骨折の回復過程について

骨折とは、骨の一部または全部が折れた状態をいいます。骨折は、事故やスポーツなどで骨に強い力がかかったときや、骨粗しょう症などで骨がもろくなったときに起こります。骨折は、皮膚が破れて骨が露出する開放骨折や、骨が複雑に粉砕する粉砕骨折など、様々な種類があります。

骨折の回復過程は、大きく分けて5つの段階があります。それぞれの段階では、以下のような変化が起こります。

  • 血腫形成期:骨折すると、骨や周囲の組織が損傷し、出血します。出血した血液は凝固して血腫と呼ばれる塊を作ります。血腫は、炎症を引き起こし、痛みや腫れを伴います。この期間は、約8~10日間です。
  • 軟仮骨形成期:血腫は次第に組織化され、白っぽく硬い軟仮骨と呼ばれるものに変わります。軟仮骨は、骨折した骨の両端をつなぎます。この期間は、約10~25日間です。
  • 骨芽細胞増殖期:軟仮骨には、新しい血管が発生し、栄養を運びます。また、骨芽細胞と呼ばれる細胞が集まり、軟仮骨を分解しながら新しい骨を作ります。この新しい骨は、海綿質と呼ばれるスポンジ状のもので、仮骨とも呼ばれます。この期間は、約20~60日間です。
  • 硬化期:仮骨は徐々に硬くなり、緻密質と呼ばれる硬い部分に変わります。この段階では、レントゲン写真で骨が見えるようになります。この期間は、約50~180日間です。
  • 改変期:硬化した骨は、正常な形や強度に近づくように再造形されます。この過程では、不要な部分が取り除かれたり、必要な部分が補強されたりします。この期間は、約4~12ヶ月間です。

以上が、一般的な骨折の回復過程についての説明です。ただし、これらの期間はあくまで目安であり、個人差や部位差や治療法などによって変わる場合があります。また、合併症や感染症などで回復が遅れる場合もあります。したがって、自己判断せずに医師の指示に従って治療を受けることが大切です。

夏季休業のおしらせ2020

2020/8/13(木)から2020/8/15(土)まで休診とさせていただきます.
2020/8/17月曜日より通常診療とさせていただきます.

現在新型コロナ対策として入館時の検温および,マスク着用必須としております.
ご協力のほどよろしくお願いいたします.

神経麻痺の回復について|稲毛整形外科

神経麻痺の回復過程について

神経麻痺とは、神経の損傷や圧迫によって、筋肉の動きや感覚が失われる状態です。神経麻痺の原因はさまざまで、外傷、脳卒中、感染症、糖尿病などがあります。神経麻痺の回復過程は、患者の状態や神経の損傷の程度によって異なりますが、一般的には以下のようなステップがあります。

  1. 神経麻痺の原因を特定し、治療する。神経麻痺の原因によっては、薬物療法や手術などが必要になる場合があります。神経麻痺の原因を除去することで、神経の回復を促進することができます。
  2. 神経麻痺の部位を保護する。神経麻痺をおこした部位は、感覚や動きがないために、外部からの刺激や圧力に対して敏感になります。そのため、患部を清潔に保ち、適切な位置に固定し、血行を良くすることが重要です。また、神経麻痺の部位に対して軽い刺激を与えることで、神経の再生を促すこともできます。
  3. 神経麻痺の筋肉をリハビリテーションする。神経麻痺の部位に感覚や動きが戻ってきたら、リハビリテーションを行うことが必要です。リハビリテーションでは、物理療法や作業療法などを用いて、筋力や柔軟性、協調性などを回復させます。また、日常生活に必要な動作や技能を再学習させます。リハビリテーションは、個々の患者の目標や能力に応じて計画されます。
  4. 神経麻痺の部位を社会復帰させる。神経麻痺の部位が完全に回復しない場合もあります。その場合は、補助具や介護サービスなどを利用して、社会生活に適応させることが必要です。また、心理的なサポートやカウンセリングも重要です。神経麻痺は、患者だけでなく家族や周囲の人々にも影響を与えます。そのため、情報提供や相談支援なども行われます。

神経麻痺の回復には、時間と努力がかかることが多いですが、医師や看護師、理学療法士や作業療法士が協力して取り組む必要があります。

前十字靱帯損傷|前方引き出しテスト

膝前十字靱帯損傷は,スポーツ外傷の代表で,様々な種目のトップアスリートが受傷してスポーツニュースでもたびたび取り上げられているので,聞いたことがある方も少なくないと思います.

膝前十字靱帯が断裂すると膝関節の前後方向の安定性が損なわれ,カッティング動作での不安感や膝がガクッと外れる感じが顕著となり,スポーツ動作に支障をきたします.

徒手検査で膝を90度に曲げてすねの骨を前方に持ち上げるようにする,前方引き出しテストが陽性であれば前十字靱帯損傷を疑います.患者さん本人からは見えないのですが,検査者からみるとあきらかに膝がぐらぐらして見えます.

右上図は膝関節のストレスレントゲンでその動きを見たところです.写真にカーソルを合わせると前方引き出し時の写真になりますが,すねの骨が1cm以上前にずれているのがわかります.

前十字靱帯損傷の膝痛は2,3週もすればなくなります.こんなにずれるなら,自分でもわかると思うのは間違いで.ゆるいのは力を抜いた状態で検査しているときだけ.
通常の歩行時や運動時では周りの筋肉も膝を支えているため,患者本人が前十字靱帯損傷に気づかずにスポーツに復帰して,再受傷して二次的に半月板損傷などをきたして痛みにより来院される場合が少なくありません.

前十字靱帯損傷はMRI検査で確認できるので,MRIをとれば確定診断は容易ですが,まず前十字靱帯損傷を疑い,診察しないとその機会は失われてしまいます.
膝が抜ける感じや違和感,受傷時に異音を聞いたなどのエピソードがあればまずスポーツ整形外科を受診してください.

ランニングシューズの選び方|稲毛整形外科

本日5/30付読売新聞夕刊に掲載されました。

ランニングシューズの選び方について

ランニングシューズは、ランニングのパフォーマンスや快適さ、怪我の予防に大きく影響する重要なアイテムです。しかし、ランニングシューズの種類や特徴は多岐にわたり、自分に合ったものを選ぶのは簡単ではありません。そこで、ランニングシューズの選び方について、以下のポイントをご紹介します。

  1. ランニングシューズの種類を知る
    ランニングシューズには、主に以下の3種類があります。
  • ニュートラルタイプ:足の動きに干渉しないシューズで、足首の安定性が高く、自然な走りができます。足型や走り方に関係なく使える汎用性の高いタイプです。
  • スタビリティタイプ:足首が内側に倒れ込む(内反)傾向がある人に向けたシューズで、足首をサポートする構造があります。内反を抑制して正しい姿勢を保つことができます。
  • モーションコントロールタイプ:足首が内側に倒れ込む(内反)傾向が強い人に向けたシューズで、足首を強く固定する構造があります。内反を防止して安定した走りを実現できます。
  1. 足型や走り方をチェックする
    ランニングシューズの種類を知ったら、自分の足型や走り方をチェックしましょう。足型は、水に濡らした足で紙に足跡をつけてみるとわかりやすいです。足跡の中央部分が広い場合は扁平足、狭い場合は高弓足と言われます。扁平足の人は内反しやすく、高弓足の人は外反しやすい傾向があります。走り方は、ビデオカメラなどで自分の走る姿を撮影してみるとわかりやすいです。走っているときに足首が内側に倒れ込むかどうかを確認しましょう。内反する人はスタビリティタイプやモーションコントロールタイプのシューズがおすすめです。
  2. サイズやフィット感を確認する
    ランニングシューズの種類と自分の足型や走り方に合わせて候補を絞ったら、実際に試着してサイズやフィット感を確認しましょう。ランニングシューズのサイズは、普段履く靴よりも0.5~1cm程度大きめに選ぶことが一般的です。ランニング中に足が膨らんだり、爪が当たったりすることを防ぐためです。また、フィット感は、かかとや甲、指先などが締め付けられないかどうかをチェックしましょう。