腰椎圧迫骨折|想定内

 サッカーで殿部から落ちた男性.受傷時は骨折に見えませんが,痛みが強く,圧迫骨折を疑い,安静とギプスで治療しました.このときの安静とは排泄を含み,すべてベッド上安静の指示.入院を強く勧めたものの,なるべく安静にする約束で,外来治療.

 どれくらい安静にしていてくれたかは,わかりませんが,案の定,1/3ほど高さが潰れてきたものの,想定内でおさまりました. 

腰椎圧迫骨折は骨粗しょう症の高齢の女性に多く見られますが,

若い男性でもスポーツ外傷によって腰椎圧迫骨折を起こします.(詳細ページは画像をクリック)

腰椎圧迫骨折 受傷直後腰椎圧迫骨折 1ヵ月後

 上の二枚の写真,画像ソフトで修正を加えた様に見えますが,矢印を入れただけ.

 斜めに走っている肋骨の影を比べてもらえば,一目瞭然.

 右は1ヵ月後の写真です.骨折した下の椎体など,重ねてみるとほぼピタリと一致します.

 正確な診断は,レントゲン技師が,日々,正確な写真を撮っているからできるんです.

 青島宏之君,これからもよろしくおねがいします.

原発不明癌|慢性腰痛でも転移性腫瘍

 以前より腰痛があり,数週間でおさまっていたが,今回はいつもより痛みが強く,回復も遅いので来院. 

原発不明癌 レントゲンでは第4第5腰椎の間の椎間板が狭く,骨棘(骨のとげ)もみられ,変形性脊椎症の所見.しかし,診察所見と合わないため,MRを撮影してみると,骨の色が明らかに異なり,外傷または腫瘍が疑われた.

 後に,転移性腫瘍(癌転移)であることが判明した.軽微な外傷で,骨折するので,痛みが引くことはまれ.

 癌が,骨、肝臓や肺などの離れた臓器に転移するまで明らかにならないことがしばしばある.これらは原発不明癌と分類され,癌全体の2~4%に見られる.

仙骨腫瘍:重粒子線治療の治療費用は300万円|何年も変わらぬ腰痛は要注意!

 二年前から腰殿部痛で電気をかけていたがよくならず来院.なんとなく腫れている.

仙骨融解 レントゲンで矢印部の骨(仙骨)が溶けており,MRIを撮ってみると仙骨の表裏に広がる骨腫瘍. 

 慢性腰痛は,痛みのいい時,悪いときの波があるのと異なり,何年も常に変わらぬ痛みは要注意.

 場所が悪く,しかも大きすぎるので,手術できず,重粒子線治療を行った,

 重粒子線治療の治療費用300万円は,保険が効かないため,全額自己負担.

仙骨脊索腫 治療のかいあって握りこぶし2つ分の腫瘍が小指の先ほどに縮小.

 放置していたら,腫瘍が皮膚を突き破って,お尻にカリフラワーのような花が咲いていたはずです.