アルコールと橈骨神経麻痺|稲毛整形外科

橈骨神経麻痺は、手や手首の運動や感覚に影響する神経障害の一種です。橈骨神経は、脊髄から上腕、前腕、指先まで走行し、手首の背屈や指の伸展などの動作を制御しています。橈骨神経が圧迫されたり、外傷や腫瘍などによって傷ついたりすると、橈骨神経麻痺が起こります。

橈骨神経麻痺の症状は、手首や指が下がって動かなくなる「下垂手」や「下垂指」です。また、親指から中指の手の甲側や前腕の親指側にしびれや感覚低下が生じることもあります。橈骨神経麻痺の原因によって、症状の出方や程度は異なります。

橈骨神経麻痺の治療法は、原因と症状に応じて選択されます。保存的治療では、局所の安静や保温、ビタミン剤の内服、装具の使用、リハビリテーションなどが行われます。手術的治療では、神経剥離や神経縫合、神経移植などの神経修復術や、腱移行術などの筋肉移動術が行われます。

橈骨神経麻痺は、アルコールとビタミン吸収とも関係があります。アルコールを飲みすぎると、ビタミンB群などの水溶性ビタミンの吸収が低下し、神経障害を引き起こす可能性があります。また、アルコールを飲んで眠り込んだ際に、上腕部に圧迫をかけてしまうと、橈骨神経が圧迫されて橈骨神経麻痺を起こすこともあります。

橈骨神経麻痺は、早期に適切な治療を受けることで回復する可能性が高まります。逆に放置すると、筋力低下や関節拘縮などの合併症を引き起こす恐れがあります。手や指の動きに異常を感じたら、整形外科医に相談してください。