ばね指

ばね指とは、指の関節にある腱が滑らかに動かなくなり、指を曲げたり伸ばしたりするときに痛みや引っかかりを感じる症状です。腱は筋肉と骨をつなぐ組織で、関節の動きを支えています。腱は腱鞘という被膜に包まれており、腱鞘の中で摩擦を減らしながら滑っています。しかし、何らかの原因で腱や腱鞘に炎症が起こると、腱が腫れて太くなり、腱鞘の中でスムーズに動けなくなります。このとき、関節の近くにある腱鞘の狭い部分(腱鞘口)を通過するときに、腱が引っかかってしまいます。これがばね指の原因です。

ばね指の原因

ばね指の原因は、以下のようなものが考えられます。

  • 過度な指の使いすぎや反復性の動作による腱や腱鞘の摩耗や損傷
  • 糖尿病や関節リウマチなどの全身性の疾患による腱や腱鞘の変性や炎症
  • 指の外傷や感染による腱や腱鞘の炎症
  • 老化による腱や腱鞘の弾力性や強度の低下

ばね指の予防には,腱の緊張を和らげ,腱鞘との摩擦を和らげるストレッチが有用です.さらに,炎症を起こした腱鞘内の滑膜は,初期であれば,アイシングで抑えることができます.ストレッチとアイシングでばね指を予防しましょう.

ばね指の病態

ばね指の病態は、以下のように分類されます。

  • 第1期:指を曲げたり伸ばしたりするときに痛みや違和感があるが、引っかかりはない。
  • 第2期:指を曲げたり伸ばしたりするときに引っかかりがあり、自力で伸ばすことができる。
  • 第3期:指が曲がったまま固定されてしまい、自力で伸ばすことができない。
  • 第4期:指が曲がったまま固定されてしまい、他力で伸ばすこともできない。

ばね指の治療

ばね指は、早期に適切な治療を行うことで改善する可能性が高いです。治療法は、症状の程度や原因によって異なりますが、一般的には以下のようなものがあります。

  • 保存的治療:指の安静化や固定、消炎鎮痛剤やステロイド注射などで炎症を抑える。
  • 手術的治療:保存的治療で効果がない場合や重度の場合に行う。腱鞘口を切開して腱を解放する。

ばね指のリハビリ

ばね指のリハビリで行う具体的な内容は以下の通りです。

  • 温熱療法または冷温療法:患部の指にぬるま湯を浸した布や氷を当てて、炎症や痛みを和らげます。
  • マッサージ:患部の指や手のひらに優しくマッサージをして、血行を促進し、腫れやこわばりを解消します。
  • ストレッチ:患部の指をゆっくりと曲げ伸ばししたり、他の指で引っ張ったりして、関節可動域を広げます。
  • 筋力強化:患部の指に負荷をかけて筋力を強化します。例えば、ゴムボールやタオルを握ったり離したりするなどです。
  • 機能訓練:日常生活で必要な手の動作を練習します。例えば、ボタンをかけたり外したり、細かいものをつまんだりするなどです。

ばね指のリハビリは、自宅でも行うことができますが、無理をしないように注意してください。また、医師や理学療法士からアドバイスを受けて、適切な方法や頻度で行ってください。ばね指のリハビリは、根気よく続けることが大切です。