肩ベネット病変

肩関節上方関節唇損傷(SLAP損傷)MRI像

肩ベネット病変;肩関節後方(背中)の痛みは投球後のフォロースルーの再に関節包の後方が引き伸ばされ,肩関節後方(背面)に痛みを生じるようになります.肩関節後方(背中)の痛みが特徴的で肩関節窩後方ベネット病変の可能性があります.投球加速期における筋収縮,フォロースルー期における牽引張力により上腕三頭筋付着部に骨性増殖がみられます.

肩関節窩後方ベネット病変の原因と病態

投球後のフォロースルーの再に関節包の後方が引き伸ばされ刺激が加わり,関節包付着部が固くなり,痛みを生じます.
固くなった関節包は骨化現象をおこし,弾力性が失われていきます.レントゲン・CTで見ると肩甲骨の上腕三頭筋付着部に骨性増殖が認められます.

肩関節窩後方ベネット病変の診断と治療

フォロースルーでの痛み,水平内転・内旋時の疼痛と運動制限があり,MRIでは後方関節唇,腱板後方の損傷を伴っている場合が多く見られます.レントゲンではわかり難く,CT検査で肩甲骨の上腕三頭筋付着部に骨性増殖を認めます.骨化現象があるだけでは異常とは判断せず,痛みの無いものは治療対象としません.
痛みのあるベネット病変(有痛性ベネット)では内視鏡手術でこの骨を削る場合もありますが,特に痛みがひどくない場合は,後方関節包の過度のストレッチを禁止し,リハビリで,後部ローテーターカフ(小円筋と棘下筋)を強化していきます.さらに,運動前後のアイシングをきっちりおこなうことで改善していきます.

Cuff-Y Exercise

腱板(cuff)の筋機能を再教育・改善することを主目的とし,肩関節疾患において一般的な訓練となっています. 訓練方法は,徒手やチューブによる軽い抵抗,もしくは無抵抗にて外旋や肩甲骨面上の外転などを行い,,腱板の筋活動を向上させます.強すぎる抵抗は大胸筋や三角筋(Outer muscle)に力が入ってしまい,軽い抵抗に反応する腱板(Inner muscle)の働きを阻害してしまうので十分注意する必要です.