肩関節唇損傷と肩腱板損傷は、それぞれ異なる部位や原因、症状を持つ肩関節の損傷です。以下に主な違いを整理しました:
肩関節唇損傷 (Labrum Tear)
- 部位:
- 関節唇は、肩甲骨の関節窩(グレノイド)を縁取る線維軟骨で、関節の安定性をサポートします。
- 損傷は、関節唇の上部(SLAP損傷)や前方(Bankart損傷)など、特定の位置で発生。
- 主な原因:
- 肩の過剰な動き(例: 投球動作やサーブ動作)。
- 転倒などによる急激な衝撃。
- 主な症状:
- 肩関節の不安定感。
- 肩の動作時の引っかかりや痛み、クリック音。
- 例: SLAP損傷(上方関節唇損傷)やBankart損傷(前下方部分)。
肩腱板損傷 (Rotator Cuff Tear)
- 部位:
- 腱板は棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋で構成される筋群で、肩関節の動きと安定性を調整します。
- 損傷は腱が切れることで発生し、部分断裂または完全断裂として分類。
- 主な原因:
- 加齢に伴う腱板の摩耗や退行変性。
- 肩関節の反復的なストレスや負荷。
- 主な症状:
- 肩の動きに伴う鋭い痛み、特に夜間痛が顕著。
- 可動域制限と筋力低下。
- 分類: 部分断裂(不全断裂)と完全断裂に分かれる。
違いをまとめると…
- 関節唇は「安定性」をサポートする組織、腱板は「運動と安定」の両方を調整。
- 関節唇損傷は不安定感や音が特徴で、腱板損傷は痛みや動きの制限が顕著。
それぞれの損傷には特有のリハビリや治療法がありますので、症状に応じたアプローチが必要です