ラグビーにおける脳震盪|稲毛整形外科

6年前の南アW杯で南アフリカを破る大金星を挙げた日本は3年前の1999年10月20日、ラグビーワールドカップで日本が予選リーグ全勝で史上初のベスト8に進んだものの、本大会の優勝国南アフリカと対戦した日です。

10月20日(日)準々決勝4日本326試合詳細南アフリカ東京スタジアム

ラグビーは激しいコンタクトスポーツであり、プレーヤーは頭部や頸部に衝撃を受ける可能性が高いです。このような衝撃によって、脳が頭蓋内で揺れ動き、脳細胞や神経組織に損傷を与えることがあります。これが脳震盪と呼ばれる状態で、重篤な場合には命に関わることもあります。

脳震盪の症状は個人差がありますが、一般的には頭痛、めまい、吐き気、記憶障害、意識障害などが見られます。また、脳震盪の既往があるプレーヤーは再発しやすく、回復に時間がかかったり、後遺症が残ったりするリスクが高まります。

ラグビー競技においては、脳震盪の予防と管理が重要な課題となっています。日本ラグビーフットボール協会(JRFU)は、安全対策マニュアルや段階的競技復帰(GRTP)プロトコルを策定し、プレーヤーのウェルフェアを最優先としたメディカル体制を整えています。また、ワールドラグビー(WR)は、エリートレベルのゲームにおいてはヘッドインジュリーアセスメント(HIA)を導入し、脳震盪の疑いのあるプレーヤーを試合中に検査し、必要に応じて交代させることを義務付けています。

ラグビーにおける脳震盪後の出場制限ついて

ラグビーは激しい接触スポーツであり、脳震盪を起こした選手は二度目の受傷で脳に重篤な損傷を与える可能性があり、重篤な場合には死亡や障害につながることもある。(セカンドインパクトシンドローム)そのため、脳震盪を起こした選手は適切な診断と治療を受ける必要がある。また、回復後に再びプレーする際には、出場制限を守ることが重要である。

出場制限とは、脳震盪後に一定期間プレーを控えることである。これは、脳の回復を促し、再発や合併症を防ぐための措置である。出場制限の期間は、年齢や症状の程度によって異なるが、一般的には次のようになっている。

  • 18歳以上の成人選手:脳震盪後6日間はプレー禁止。その後、段階的なトレーニングプログラムを経て、医師の許可を得た場合にプレー可能。
  • 18歳未満の少年選手:脳震盪後14日間はプレー禁止。その後、段階的なトレーニングプログラムを経て、医師の許可を得た場合にプレー可能。

出場制限は、選手の健康と安全を守るためのものであり、ルールとして厳守されるべきである。選手自身やコーチ、チームメート、審判などが責任を持って、脳震盪の予防と管理に努めることが求められる。

ラグビーに関わる全ての人は、脳震盪の症状やリスクを理解し、明らかな症状もしくは疑いのある症状を持つ全てのプレーヤーは、競技や練習を止めさせることが重要です。また、脳震盪を起こしたプレーヤーは医師の診断と指示に従い、適切な休養と復帰プログラムを行うことで、健康と安全を守りましょう。

書痙について|稲毛整形外科

書痙とは、文字を書くときに手がふるえたりこわばったりして、書字が困難になる症状です。書痙は、神経症や心身症の一種と考えられる場合もありますが、最近の研究では、脳の運動制御に関係する部位の異常が原因であるという説が有力です。この場合、書痙はジストニアという不随意運動の一種とされます。

書痙は、字を書くことを仕事にしている人や、人前で書くことに緊張する人に多くみられます。特に20代から40代の男性に発症しやすいといわれています。書痙の症状は、手の震えやこわばりだけでなく、声や顔のひきつりなども起こります。また、リラックスしている時でも症状が出る場合もあります。

書痙の治療法は、原因によって異なります。薬物治療や精神療法は、精神的な要因が強い場合に有効ですが、根本的な解決にはなりません。ボツリヌス毒素治療は、筋肉を麻痺させてふるえやこわばりを抑える方法ですが、効果は一時的です。手術治療は、脳内の異常な部位を凝固させて運動制御を正常化する方法ですが、リスクも高いです。

書痙は、脳や神経の専門医である神経内科や脳神経外科で診断や治療を受けることができます。自分で原因や治療法を判断するのではなく、専門医の指示に従うことが大切です。また、日常生活でのストレスや過度な負担を減らすことも、書痙の予防や改善に役立ちます。

帯状疱疹による坐骨神経痛について|稲毛整形外科

坐骨神経痛と帯状疱疹について

坐骨神経痛とは、腰から足にかけて走る坐骨神経が圧迫や炎症などによって刺激されることで起こる痛みのことです。坐骨神経痛の症状は、腰からお尻、太もも、ふくらはぎ、足の裏にかけて鋭い痛みやしびれ、筋力低下などがあります。坐骨神経痛の原因はさまざまですが、最も多いのは椎間板ヘルニアです。腰の椎間板が飛び出して坐骨神経を圧迫することにより起こることが多い坐骨神経痛ですが、坐骨神経に帯状疱疹のウイルスが住み着いてヘルニアによる坐骨神経痛と同じ症状を起こすことが時としてあります。

帯状疱疹による坐骨神経痛は水ぶくれが痛みの部位に一致して出ることですぐにわかるのですが、皮膚症状が出るまでに1週間近くかかることが多く、当院でも年に数名、皮疹が出る前に受診され、椎間板ヘルニアと間違えることが時としてあります。

帯状疱疹とは、水ぼうそうにかかったことがある人に起こる感染症の一種です。水ぼうそうにかかった後も、水ぼうそうウイルスは神経節に潜伏しています。免疫力が低下したり、ストレスや加齢などの要因でウイルスが再活性化すると、帯状疱疹が発生します。帯状疱疹の特徴は、ウイルスが住み着いた神経の支配領域に沿って赤い発疹や水ぶくれができることです。これらの発疹や水ぶくれは非常にかゆみや痛みを伴います。

帯状疱疹による坐骨神経痛について

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる皮膚の感染症です。このウイルスは、水ぼうそうにかかった後も神経に潜伏し、免疫力が低下したときに再活性化して帯状疱疹を発症します。帯状疱疹は、主に胸から背中にかけての片側の皮膚に赤い発疹や水ぶくれができ、強い痛みを伴います。通常は数週間で治癒しますが、一部の人では、発疹が治っても神経の痛みが残ることがあります。これを帯状疱疹後神経痛と呼びます。

帯状疱疹後神経痛は、神経障害性の慢性的な痛みであり、通常の鎮痛薬では効果が不十分な場合が多いです。帯状疱疹後神経痛の特徴は、以下のようなものです。

  • 焼けるような、刺すような、ひきつるような、しびれるようななど、さまざまな種類の不快感や痛みがある。
  • 痛みは、帯状疱疹が出た部分に限られることが多いが、場合によっては広がることもある。
  • 痛みは、触れられたり、温度や風などの刺激に反応して増悪することがある。
  • 痛みは、日中や夜間に強くなったり弱くなったりすることがある。
  • 痛みは、数か月から数年にわたって持続することがある。

帯状疱疹後神経痛の治療には、主に薬物治療と非薬物治療があります。

薬物治療では、抗ウイルス薬や抗うつ薬、抗てんかん薬などが用いられます。これらの薬は、神経の興奮を抑えて、痛みを和らげる効果があります。しかし、副作用や効果の個人差もあるため、医師の指示に従って適切に服用する必要があります。非薬物治療では、温冷刺激や電気刺激、マッサージや鍼灸などが行われます。これらの方法は、血行を改善したり、神経の伝達を変化させたりして、自然治癒力を高める効果があります。また、リラクゼーションやストレス管理などの心理的なサポートも重要です。

帯状疱疹後神経痛は、予防することが難しい場合もありますが、早期に帯状疱疹の診断と治療を受けることで、発生率や重症度を低下させることができます。また、高齢者や免疫力の低下した方は、帯状疱疹の予防接種を受けることで予防することも可能です。帯状疱疹後神経痛に悩んでいる方は早急に医師に相 談しましょう。

頚椎症性めまい症|稲毛整形外科

頚椎症性めまいとは、頚椎(首の骨)の変形や痛みが原因で起こるめまいのことです。頚椎症性めまいは、首の動きによってめまいが誘発されたり、首の痛みやこりと一緒にめまいが起こったりする特徴があります。

頚椎症性めまい症の原因は、頚椎の変形や圧迫によって血管や神経が圧迫されたり、首の筋肉や靭帯が炎症を起こしたりすることで、脳や内耳に血液や神経信号が十分に届かなくなることです。

頚椎症性めまい症の診断は、首のレントゲンやMRIなどの画像検査や、首の動きや姿勢によってめまいが変化するかどうかを調べる検査などが行われます。

頚椎症性めまい症の治療は、首の筋肉をほぐすマッサージやストレッチ、首の姿勢を正すリハビリテーション、首の痛みを和らげる薬物療法などが行われます。また、めまいを抑える薬や内耳に働く薬も処方される場合があります。

頚椎症性めまいと似た症状をきたすものに頭位性めまい症があります。

頭位性めまいとは、頭の動きによって起こるめまいの一種です。頭位性めまいは、耳の中にある三半規管という器官にカルシウム結晶が入り込んで、平衡感覚を乱すことが原因と考えられています。

頭位性めまいの症状は、横になったり起き上がったりするときや、寝返りを打ったり首を動かしたりするときに、ふわふわしためまいや目の前が回る感じがすることです。頭位性めまいは、数秒から数分でおさまることが多く、重篤な合併症はほとんどありません。しかし、頻繁に起こる場合は、日常生活に支障をきたしたり、転倒や事故のリスクを高めたりする可能性があります。

頭位性めまいの診断は、医師が耳や目の動きを調べることで行われます。

頭位性めまいの治療法は、カルシウム結晶を耳の外に移動させるための体位変換法という運動療法が有効です。体位変換法は、医師や理学療法士の指導のもとで行うことが望ましいです。また、頭位性めまいの予防策としては、耳の健康を保つことや、急激な頭の動きを避けることが重要です。

前鋸筋麻痺|稲毛整形外科

前鋸筋麻痺とは、前鋸筋という胸郭の外側にある筋肉の機能が低下する状態です。前鋸筋は、肩甲骨を胸郭に固定する役割を果たしており、前鋸筋麻痺になると、肩甲骨が胸郭から離れて突き出す「翼状肩甲骨」という症状が現れます。これにより、肩関節の可動域や力が低下し、腕の挙上や回旋などの動作が困難になります。

前鋸筋麻痺の原因は、主に前鋸神経という神経の損傷です。前鋸神経は、頚部から腕にかけて走行する神経で、前鋸筋を支配しています。前鋸神経は、外傷や圧迫などにより容易に損傷されることがあります。例えば、交通事故やスポーツなどで頚部や腕を強く打つことや、長時間の姿勢不良や重い荷物を持つことなどが原因となることがあります。また、感染症や免疫疾患などの全身性の疾患や、腫瘍や血栓などの局所的な病変も原因となる可能性があります。

前鋸筋麻痺の診断は、主に臨床所見と画像検査により行われます。臨床所見では、肩甲骨の形態や動きを観察し、前鋸筋の力や感覚を評価します。画像検査では、X線やMRIなどで頚部や腕の構造を詳しく調べ、神経の圧迫や断裂などの異常を確認します。また、電気生理学的検査という方法で神経の伝導速度や筋電図などを測定し、神経の機能障害の程度や部位を特定します。

前鋸筋麻痺の治療は、原因によって異なりますが、一般的には保存的治療と手術的治療の2つに分けられます。保存的治療では、まずは安静にして神経の回復を待ちます。また、薬物療法や物理療法などで痛みや炎症を抑えたり、筋力や可動域を改善したりします。手術的治療では、神経の圧迫や断裂が明らかな場合に行われます。神経の解放や移植などで神経の通路を回復させたり、他の筋肉や腱を移動させて前鋸筋の代償を行ったりします。