ときどき高熱が出て,内科で抗生物質を処方してもらうと数日で軽快する.血液検査では炎症反応を認めるが,内科であらゆる検査をしたが,どこが炎症を起こしているのかはわからずじまい.このように原因が分からず,治療に難渋する症例を不明熱FUO(Fever of unknown origin) と呼んでいます.
熱発とはまったく関係なく,腰痛で整形外科を受診した患者さん.MR後に今までの経過を聞いてみると,半年前から2カ月おきに38度台の熱発を起こしていたそうです.
MRI画像(右図)からは第4第5腰椎の化膿性脊椎炎が疑われますが,おそらくその間にある椎間板が原発巣と考えられます.上下椎体に炎症(白くなっている部分)が広範囲に広がっているます.
FUOの原因として,腰痛や肩こりが関係していることもあります.



 右のMRI画像左側は背骨を縦割りにして横から見た画像.縦に走っている脊髄が黄色線(L45)のところでは黒く抜けている.一つ上の緑線のところ(L34)の横断像が右上の写真,白い三角形のところが脊髄神経の通り道.黄色線の部位での横断面には殆ど白いところがなく,脱出したヘルニアで埋め尽くされている.