痛風発作|身に覚えのない痛み

暑い夏が続きますが,最近多いのが痛風発作.

痛風の発作は血液中の尿酸が足の親指や足くびの関節に結晶を作り,発作を起こします.安静にしていてもズキズキと痛く,赤く腫れあがります.

会社勤めの方は毎年定期健診を受けておられるので,尿酸値が高いことを知っている方がほとんどですが,まさか自分が痛風発作を起こすとは考えません.

うすうす感づいて来院するものの,痛風の診断を受けると,やっぱりがっかりです.

夏場は脱水になりやすく,夜寝ている間に発作を起こすこともしばしば.スポーツで汗をかいた後,おいしいビールを飲みすぎた後などはしっかり水分補給してから寝ると,とりあえずは発作を防げるかもしれません.

身に覚えのある方は試してみてください.

ランニング・スタイル 2010年8月号 Vol.25

ランニング・スタイル 2010年8月号 Vol.25

 前回に続き,足くびの痛みについてレクチャーします.

 ランニングの際に大きな負荷のかかる足くびのケガは,全スポーツ外傷の15〜25%を占めるといわれています.

 足首周りは筋肉が少なく,骨,軟骨と靭帯,腱だけ.

 足くびの痛みは即故障に直結するので,異常を感じたら早めの対応が必要です.

化膿性椎間板炎・化膿性脊椎炎|腰痛+不明熱(FUO)

化膿性椎間板炎 ときどき高熱が出て,内科で抗生物質を処方してもらうと数日で軽快する.血液検査では炎症反応を認めるが,内科であらゆる検査をしたが,どこが炎症を起こしているのかはわからずじまい.このように原因が分からず,治療に難渋する症例を不明熱FUO(Fever of unknown origin) と呼んでいます.

熱発とはまったく関係なく,腰痛で整形外科を受診した患者さん.MR後に今までの経過を聞いてみると,半年前から2カ月おきに38度台の熱発を起こしていたそうです.

MRI画像(右図)からは第4第5腰椎の化膿性脊椎炎が疑われますが,おそらくその間にある椎間板が原発巣と考えられます.上下椎体に炎症(白くなっている部分)が広範囲に広がっているます.

FUOの原因として,腰痛や肩こりが関係していることもあります.

膝窩嚢腫(ベーカーのう腫)|膝の裏側が張って膝を深く曲げられない

膝窩嚢腫 膝の後ろにこぶし大の腫瘤.硬いしこりのようなものを触れる場合はほとんどが膝窩嚢腫(ベーカーのう腫)です.

膝窩嚢腫でMRIをとることはめったにありませんが,この方の場合は大腿裏までグニュッとした触感で,軟部腫瘍と鑑別のためにMRIを撮影.

右のMRI画像は膝の縦断面で右側の白い部分がすべて水で,大腿裏側まで広がる膝窩嚢腫でしたが,やわらかい腫瘤の場合は色素性絨毛性滑膜炎や腫瘍を考えなくてはいけません.

ランニング・スタイル 2010年6月号 Vol.24

ランニング・スタイル 2010年6月号 Vol.24

 昨春,毎月テーマを決めて腰痛から連載を始めた”ナン君におまかせ!ランナーのための痛み解消クリニック”.前々号の膝特集からいよいよ佳境に入り,今月のテーマは足関節.

 足くびの捻挫は多くのランナーの経験するところですが,足くび外側の捻挫だけでも前距腓靭帯損傷,脛腓靱帯損傷,腓骨遠位端骨折,後腓骨筋腱脱臼,第5中足骨骨折など,微妙に障害部位が異なります.実際の患者さんでは,これらの複数損傷部位の組み合せに,重症度が加わり,さらにライフスタイルも勘案し,固定方法,治療期間を考えています.

 簡単に1コラムでまとめてありますが,足関節捻挫だけで2回分は語れます.(発売日:2010.5/8)