仙腸関節炎|あぐらがかけない

若い女性ダンサーが腰痛で来院.

 腰痛といってもさまざまでこの患者さんの場合は骨盤と背骨をつなぐ,仙腸関節という部分に圧痛(押すと痛い部分)がある.

下肢伸転挙上テストをしながら, ”からだは柔らかいんですね” などと話しながら股関節をみると開排制限(股をひらくことができない)がある. “あぐらがかけないことに最近気がついたんです”

半年前,股関節をやわらかくするために整体に行って骨盤矯正をしたら,激痛で歩けなくなったので,自分でストレッチをしていたとのこと.

ストレッチぐらいで仙腸関節がずれることはまずないのだが,この患者さんの場合,全身の関節弛緩性があり,すべての関節がゆるい.

股関節だけは,普通のノートパソコンが180度開かないのと同じく,大腿骨頭がすっぽりと骨盤側の臼蓋にはまっているため,骨のつくりの問題でいくらストレッチをしてもある程度以上は開くことはなく,かわりに仙腸関節がゆるくなってしまったのだと考えられます.

個々の患者さんでどこまで開くかは股関節の形状で異なりますが,手の親指が前腕に触るまで曲げられる方は要注意です.

距骨下関節不安定症|ランニング中のオーバープロネーション

 足くびの捻挫の後遺症として距骨下関節不安定症なるものがありますが,これは距骨と踵骨をつないでいる距踵靭帯がのびて骨同士のつながりがゆるくなってしまったことにより起こります.

 でこぼこの道を歩くと痛くなる場合,足関節だけでなく足関節のもう一つ下にある距骨下関節の障害も考える必要があります.

着地時に踵が内側に大きく倒れこむオーバープロネーションのランナーは捻挫していなくともこの部位がやられている場合があります(黄矢印).

直接的にはテーピングで押さえ込むのですが根治療法ではなく,リハビリによりアキレス腱や前後脛骨筋,屈筋支帯周辺の筋緊張をとることで劇的に改善することがあります.

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坐骨神経痛で足がしびれていてランニングをしようと思う人はいないと思います.

“ランナーの痛み解消クリニック”では常に初期症状にスポットを当てて,多くのランナーのためになる記事を書いていきます.