稲毛海岸からのダイヤモンド富士です。
他のカットは夕日に集中しすぎて
海を入れるのを忘れてしまいました。
足の親指の付け根の痛みといえば外反母趾と痛風が有名ですが,母趾の付け根の足裏側の痛みをおこす種子骨障害(分裂種子骨)も頻繁に目にします.
足の親指の裏側には通常納豆の粒ほどの大きさの2つの種子骨があります.種子骨は親指を足底側に曲げる屈筋腱に付着して,歩行時の衝撃に耐え,腱が擦り切れるのを防止していますが,繰り返す牽引により,種子骨そのものが割れて,痛みを起こします.(分裂種子骨,右黄矢印部分が分離部)
鎮痛剤やテーピングで痛みは治まりますが,いったん分裂種子骨となると,痛みは再発しやすく,原因を特定し,痛みを出さないようにすることが大切です.
しかし原因はさまざま.薄いソールのシューズを履いているために起こす陸上短距離選手が代表例で,剣道,ダンスなどでも種子骨障害が見られます.
ひと夏ビーチサンダルで過ごした青年もいれば,就活で慣れないヒールを履いて歩き回った女子学生も分裂種子骨でした.デスクワークで椅子に座るとき常に膝を引っ込めてつま先を立てているOLも,爪先立ちが原因と考えられ,日常生活のアドバイスも多岐にわたります.
座った姿勢で足首をぴんと伸ばしてふくらはぎの筋肉(腓腹筋)を触ってみると,アキレス腱ともども腓腹筋は緩んでいることがわかります.
体重をかけるとそれなりに収縮しますが,ふくらはぎの筋肉は足くびで地面を蹴る動作にはそれほど関与していません.
足くびを伸ばす動作,すなわち地面を蹴るのはアキレス腱や腓腹筋ではなく,足首周囲の後脛骨筋が大切な役割を果たします.
後脛骨筋腱機能不全症があると,腓腹筋やアキレス腱が後脛骨筋の代わりを果たそう(代償動作)とがんばるのですが,文頭で確認したとおり,足くびを伸ばそうとしても有効に働かず,アキレス腱炎やアキレス腱周囲炎,腓腹筋の肉離れを起こす原因 となると考えられます.