オープン型MRI装置入れ替え

  開業当初より頑張っていた初代オープンMRI アイリス君.

 何の不具合もなく,きれいなMRI画像を提供してくれていたのですが,部品が少なくなり,保守整備ができなくなったとの理由で,急きょ新型のオープンMRIに入れ替えることになりました.(涙)

 

  オープンMRI装置は永久磁石を使用しているため,その重さは7トン以上.部屋の中に庭石を置いていたようなもので,搬出作業もおおがかりなものでした.

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 まずMRI室の壁を撤去します.MR室は磁気シールドという外の磁気を遮断する銅箔が部屋一面に貼られています.壁紙を張る前の状態は銅とはいえ,なかなかゴージャスで,このままがいいというDrもいるようで,その気持ち,わからなくもありません.

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  MR室の隣,処置室の外壁も一時的にはずされます.

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  MRI搬入搬出の経路となる処置室の床も耐荷重10トンの耐荷重で設計されています.中庭にはH型鋼の上に鉄板を並べて地面にめり込まないようにします.

 下画像はMRI搬出時の動画(6倍速).プロの仕事ぶりが見事です.

  次世代も最新型オープン型MRI アイリス君で,あさって搬入作業が終わり,3月末には稼働予定です.

大腿骨頭すべり症|こどもの股関節痛

大腿骨頭すべり症
ちょっと太めの小学校5,6年生の男の子が太ももや股の付け根の痛みで 受診した場合は,常にこの病気を念頭に置いて診察しています.

成長期の骨といえど,どこでも骨が伸びるわけではなく,主に骨の両端から少し奥まった部分,骨幹端という成長軟骨で細胞分裂を繰り返し,全長を伸ばしていきます.レントゲンでは成長軟骨はうつらないので,この部分が骨端線と呼ばれる黒い線でみることができます.(右図黄矢印)

成長軟骨は周辺の骨に比べて脆弱なため,股関節においては重力に耐え切れず,地滑りのように,大腿骨頭が下にずれていきます.この状態を大腿骨頭すべり症と呼び,完治は難しく,早期発見,できれば発症前の予防が重要です.

この子の場合も,大腿骨頭すべり症を念頭に置きながら運動制限で経過を見ていましたが,骨頭がすべり始めたので,手術治療となってしまいました.すべっていくのかいかないのかは,安静度に加え,成長ホルモンの関与もあり,難しいのですが,太ももや股の付け根の痛みが続くようであれば,整形外科で定期的にレントゲン検査で経過観察する必要があります.

追記:隕石が原発に落ちる確率よりは,確実に高いので,こどもの股関節痛については整形外科医の指示に従っていただきたいと思います.

 

 

斜角筋症侯群|朝日新聞ウィークリー AERAに記事が掲載されました

AERA20130204 本日発売の朝日新聞ウィークリー 誌AERA 2013年2月4日増大号にストレートネックの記事が掲載されました.

若い日本女性の半分以上はストレートネックであるという報告もあり,ストレートネック=肩こりではありませんし,ストレートネックを手術やリハビリで治療するわけではありません.

背中をまるめて画面を覗き込むような姿勢でデスクワークを続けると,くびの前側にある筋肉群が緊張してくびコリや手のシビレをきたすことがあります.(斜角筋症侯群)

背中側の肩こりではなく,クビ前側のくびコリは斜角筋症侯群に注意が必要です.

 

大腿筋膜張筋|ランニング中の腿の付け根の痛み

千葉マリンマラソン2013

毎年恒例の千葉マリンマラソンが本日開催されました.

途中まではよかったのですが,途中から太ももの付け根,外側が痛み始めました.

太ももの外側,大転子というでっぱりの下側には大腿筋膜張筋という筋膜に緊張を与えるための筋肉があり,片足で立つときはももの外側の筋膜が張ることでバランスをとるのですが,中殿筋や大腿四頭筋が弱いと,大腿筋膜張筋に負荷がかかり,痛みます.

私の場合は筋力うんぬんよりも,走り込み不足だと思います.

千葉市地域医療シンポジウム

昨年4月より,当院から車で10分ほどの千葉市立海浜病院では「新千葉市立病院改革プラン」に基づき,整形外科は千葉市立青葉病院へ集約(リストラ)され、現在,海浜病院整形外科での入院,手術は行っていません.その海浜病院は5億円ほどのリニアック(放射線治療器)を導入し,「がん診療連携拠点病院」として整備されていく予定です.

「新千葉市立病院改革プラン」をまとめると,

青葉病院は救急医療,整形外科,脳卒中,糖尿病,精神疾患.

海浜病院はがん診療,周産期母子医療.

今まで2つあった市立病院が一つになるようなもので,近隣の市民にとっては不便な事もありますが,高度医療は公的病院で提供するので,初診はかかりつけ医へ という事のようです.

 

千葉市の医療について考えるシンポジウムが平成25年1月19日(土):救急医療についてと 平成25年2月16日(土):高齢者医療についての連続シンポジウムとして開催されます。

稲毛公民館それに関連して、平成25年2月6日(水)1:30から稲毛公民館(稲毛浅間神社の中,右写真)で千葉市病院事業管理者守屋秀繁千葉大学名誉教授の講演会があります.

守屋秀繁氏は横綱審議委員会委員でもあり、地域医療の話に加え,相撲会の裏話やノーベル医学賞を受賞した山中伸弥教授の裏話についても触れられるとのことです.

お時間があればぜひご参加下さい.