前十字靱帯損傷|前方引き出しテスト

膝前十字靱帯損傷は,スポーツ外傷の代表で,様々な種目のトップアスリートが受傷してスポーツニュースでもたびたび取り上げられているので,聞いたことがある方も少なくないと思います.

膝前十字靱帯が断裂すると膝関節の前後方向の安定性が損なわれ,カッティング動作での不安感や膝がガクッと外れる感じが顕著となり,スポーツ動作に支障をきたします.

徒手検査で膝を90度に曲げてすねの骨を前方に持ち上げるようにする,前方引き出しテストが陽性であれば前十字靱帯損傷を疑います.患者さん本人からは見えないのですが,検査者からみるとあきらかに膝がぐらぐらして見えます.

右上図は膝関節のストレスレントゲンでその動きを見たところです.写真にカーソルを合わせると前方引き出し時の写真になりますが,すねの骨が1cm以上前にずれているのがわかります.

前十字靱帯損傷の膝痛は2,3週もすればなくなります.こんなにずれるなら,自分でもわかると思うのは間違いで.ゆるいのは力を抜いた状態で検査しているときだけ.
通常の歩行時や運動時では周りの筋肉も膝を支えているため,患者本人が前十字靱帯損傷に気づかずにスポーツに復帰して,再受傷して二次的に半月板損傷などをきたして痛みにより来院される場合が少なくありません.

前十字靱帯損傷はMRI検査で確認できるので,MRIをとれば確定診断は容易ですが,まず前十字靱帯損傷を疑い,診察しないとその機会は失われてしまいます.
膝が抜ける感じや違和感,受傷時に異音を聞いたなどのエピソードがあればまずスポーツ整形外科を受診してください.

ランニングシューズの選び方|稲毛整形外科

本日5/30付読売新聞夕刊に掲載されました。

ランニングシューズの選び方について

ランニングシューズは、ランニングのパフォーマンスや快適さ、怪我の予防に大きく影響する重要なアイテムです。しかし、ランニングシューズの種類や特徴は多岐にわたり、自分に合ったものを選ぶのは簡単ではありません。そこで、ランニングシューズの選び方について、以下のポイントをご紹介します。

  1. ランニングシューズの種類を知る
    ランニングシューズには、主に以下の3種類があります。
  • ニュートラルタイプ:足の動きに干渉しないシューズで、足首の安定性が高く、自然な走りができます。足型や走り方に関係なく使える汎用性の高いタイプです。
  • スタビリティタイプ:足首が内側に倒れ込む(内反)傾向がある人に向けたシューズで、足首をサポートする構造があります。内反を抑制して正しい姿勢を保つことができます。
  • モーションコントロールタイプ:足首が内側に倒れ込む(内反)傾向が強い人に向けたシューズで、足首を強く固定する構造があります。内反を防止して安定した走りを実現できます。
  1. 足型や走り方をチェックする
    ランニングシューズの種類を知ったら、自分の足型や走り方をチェックしましょう。足型は、水に濡らした足で紙に足跡をつけてみるとわかりやすいです。足跡の中央部分が広い場合は扁平足、狭い場合は高弓足と言われます。扁平足の人は内反しやすく、高弓足の人は外反しやすい傾向があります。走り方は、ビデオカメラなどで自分の走る姿を撮影してみるとわかりやすいです。走っているときに足首が内側に倒れ込むかどうかを確認しましょう。内反する人はスタビリティタイプやモーションコントロールタイプのシューズがおすすめです。
  2. サイズやフィット感を確認する
    ランニングシューズの種類と自分の足型や走り方に合わせて候補を絞ったら、実際に試着してサイズやフィット感を確認しましょう。ランニングシューズのサイズは、普段履く靴よりも0.5~1cm程度大きめに選ぶことが一般的です。ランニング中に足が膨らんだり、爪が当たったりすることを防ぐためです。また、フィット感は、かかとや甲、指先などが締め付けられないかどうかをチェックしましょう。

新型コロナ感染対策|稲毛整形外科

 4/7の新型コロナウイルスの感染拡大に備える改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言を受け、対象の7都府県が7日、対応を公表した。埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の各府県は、現段階で民間施設に対し休業要請しない方針を示した。

稲毛整形外科では新型コロナ対策として換気、待合室のレイアウト変更、院内の消毒、職員の体調管理などを随時行っております。

稲毛整形外科待合室

加えて、待合室での滞在時間をなくすため、診療開始時間を受付時間に合わせ、待ち時間なくリハビリを始められるように変更しました。加えて、個別リハビリでの待ち時間を減らすため、再診時は予約できるように検討中です。

日本での1ヶ月間の緊急事態宣言発令に合わせるかのように、中国武漢の都市封鎖が2ヶ月半ぶりに解除されました。感染爆発したイタリア、スペインでも峠を越えるのに2ヶ月を要しています。日本(東京都)は1万人の死者を出したアメリカの3週間前の状態とのことで、医療崩壊を避けるため緊急事態宣言が発令されましたが、外出を控えるなどの要請にとどまっており、個々の感染予防の意識が求められています。

新型肺炎|続報

 前回新型肺炎(新型コロナウイルス)の患者数を経時的に追っていましたが,1月29日から31日にかけて武漢市に滞在する日本人565人が帰国し、8名が新型コロナウイルス陽性となりました。

 さらに,風邪症状のある人が35人入院となっていることから推測しても,発表されている数字の何倍もの患者数がいることが明らかとなりました.

 中国武漢在住日本人帰国者という日本企業の中国駐在家族など無作為サンプリングにはならない比較的生活水準が上と推測される中での有病率1.4%という数字は1000万人レベルでは10万人単位で新型コロナウイルスが蔓延していることになり,遅かれ早かれ拡大することになろうかと思われます.

 新型コロナウイルスの拡散は春になれば沈静化に向かうと思われますが,通常の手洗い,換気など通常の感染予防をより丁寧に行っていく必要があると思われます.

新型肺炎まとめ

中国の武漢市で発生した新型コロナウイルスによる新型肺炎
コロナウイルスによるSARSは2002年11月に中国広東省で発生し、2003年7月にWHOによって終息宣言

SARS MARSとの比較

 

SARS

MARS

新型肺炎

感染者

8096

2499

2803

死者

774

861

82

致死率

9.6%

34.5%

2.9%

感染力*

2-5人

1人<

3-5人

*基本再生産:ウイルスが何人に感染するかで感染力を表す.

新型肺炎時系列まとめ

流行期第二幕 1/28現在 日本国内での初感染例が報告され,今後の動向が懸念されている

time

12/8

1/12

1/16

1/20

1/23

1/24

1/25

1/26

1/27

1/28

1/29

1/31

患者数

1

 

(1)

200

571

830

1287

1975

2823

4515

5974

9692

死者数

0

1 

  

4

4

17

26

41

56

106

134

213

memo

政府発表

初の死者

日本発症

武漢旅行

WHO

東京観光

春節

愛知4人目

団体禁止

国内二次感染

国内8例に

非常事態宣言