大谷翔平選手が行った肘の治療について

 大谷翔平選手が行った初回の肘の治療は、2018年に行われたトミー・ジョン手術(内側側副靱帯再建術)でした。この手術は、損傷した靱帯を他の部位から採取した腱で修復するもので、ピッチャーとしての復帰を目指す上でよく選ばれる治療法です。その後の活躍は言うまでもありませんが、

  • 2023年9月:右肘に2度目のトミー・ジョン手術(内側側副靱帯修復手術)
  • 2024年3月:シーズン開始、指名打者として復帰。
  • 2024年10月:本塁打王を獲得。ドジャースのワールドシリーズ優勝に貢献[
  • 2025年6月:投手復帰。

近年では、「インターナルブレース」という人工靱帯を使用した方法が追加されることがあり、これにより靱帯を内部から安定させることが可能とされています。この技術は回復期間を短縮できるメリットがある一方、長期的な効果についてはまだ完全に確立されていないため、慎重な経過観察が必要です。

特にプロ野球選手や投手にとって肘は大切な部位ですので、手術後のリハビリや負荷管理が非常に重要となります。大谷選手も過去の手術から復活し、投手および打者としてのパフォーマンスを維持しています

大谷翔平選手は手術前および日々のケアにも様々な再生医療を併用しています。

PRP療法

怪我の治療過程でPRP(多血小板血漿療法)を試みたことがあります。この治療は、血小板に含まれる成長因子を利用して組織の回復を促進する再生医療の一種です。PRP療法は、投球による肘への負荷を軽減する目的で行われたとされています。
PRP療法の効果としては、入院不要で早期復帰が可能となる点が魅力的ですが、場合によっては追加治療や手術が必要なこともあります。実際、大谷選手もこの治療法を行った後、手術を選びました。

体外衝撃波療法(ESWT)

 大谷翔平選手は体外衝撃波治療(ESWT)を用いた経験もあるようです。
 ESWT(体外衝撃波治療)は、音波を利用して患部を刺激し、痛みの緩和や組織の修復を促す治療法です。この治療は、スポーツ傷害や慢性的な筋骨格の問題など、多くの痛みに対して有効とされています。特に、腱や靭帯の損傷、足底腱膜炎、テニス肘、アキレス腱炎などに適用されています。

 主な仕組みとしては、衝撃波が血流を改善し、炎症を抑え、新しい血管の形成や組織の再生を助けると考えられています。また、手術が不要で、副作用も少ないため、身体への負担が小さい治療法として注目されています。
 大谷選手は肘や肩などに衝撃波治療を試みたことがあり、腱や筋肉の張りを和らげる目的で使用されたとされています。
 体外衝撃波治療(ESWT)は、選手のコンディションを整えるためのリカバリー手段として注目されています。