腹横筋の鍛え方|稲毛整形外科

腹横筋の鍛え方

腹横筋は、お腹を引き締めるだけでなく、姿勢や呼吸にも関係する重要な筋肉です。腹横筋を鍛えるには、次のような方法があります。

・バキュームエクササイズ
これは、お腹を凹ませて腹横筋に力を入れるエクササイズです。仰向けに寝て、両足を曲げて床につけます。息を吐き切ったら、おへそを背骨に近づけるようにお腹を凹ませます。この状態を10秒間キープして、ゆっくりと息を吸います。これを10回繰り返します。

・プランク
これは、体をまっすぐに保ちながら腹横筋に負荷をかけるエクササイズです。うつ伏せになって、肘とつま先で体を支えます。背中やお尻が反らないように気をつけて、お腹に力を入れます。この状態を30秒間キープして、休憩します。これを3回繰り返します。

・クランチ
これは、上半身を起こして腹横筋を収縮させるエクササイズです。仰向けに寝て、両足を曲げて床につけます。両手を胸の前で組んで、息を吐きながら上半身を起こします。おへそと背骨の間に隙間ができないようにお腹を凹ませます。上半身が45度くらいになったら、ゆっくりと元の位置に戻ります。これを20回繰り返します。

これらのエクササイズは、毎日行うことで効果的に腹横筋を鍛えることができます。ただし、無理をしないように注意してください。痛みや違和感がある場合は、すぐにやめて医師に相談してください。

腹横筋と腹斜筋について|稲毛整形外科

腹横筋と腹斜筋は、体幹の安定性や姿勢の維持に重要な役割を果たす筋肉です。腹横筋は、腹部の最も深い部分にある筋肉で、内臓を支えるベルトのような働きをします。腹横筋が強化されると、内臓が正しい位置に保たれ、腰痛やぎっくり腰の予防にも効果的です。また、腹横筋は呼吸にも関与しており、呼吸を深くすることで酸素の取り込みが増え、疲労回復やストレス解消にも役立ちます。

腹横筋は、他の腹筋と比べて目立たない筋肉ですが、鍛えることで様々なメリットがあります。例えば、腹横筋を鍛えることで、以下のような効果が期待できます。

  • 腰痛の予防や改善:腰椎や仙骨を安定させることで、腰への負担を減らし、痛みを和らげます。
  • 内臓下垂の予防や改善:内臓をしっかりと支えることで、下垂やぽっこりお腹を防ぎます。
  • 姿勢の改善:体幹を引き締めることで、背筋や肩甲骨周りの筋肉と協調して姿勢を正します。
  • 呼吸力の向上:呼吸に必要な筋力を高めることで、深呼吸がしやすくなります。
  • 代謝の向上:筋肉量が増えることで、基礎代謝が上がり、ダイエットにも効果的です。

腹斜筋は、腹部の表面にある筋肉で、外側と内側に分かれています。外側の腹斜筋は、体幹を前方や側方に曲げたり、反対側にねじったりする動作に関与します。内側の腹斜筋は、体幹を後方や側方に曲げたり、同じ側にねじったりする動作に関与します。腹斜筋が弱いと、腰椎や骨盤が前傾したり、左右にずれたりしやすくなります。これにより、腰部に過度な圧力がかかったり、神経や血管が圧迫されたりする可能性が高まります。腹斜筋を鍛えることで、腰椎や骨盤の位置を正しく保つことができ、腰痛の予防や改善に役立ちます。

腹斜筋を鍛えることには、多くのメリットがあります。まず、腹斜筋を鍛えることで、体幹の強化やバランス感覚の向上が期待できます。体幹が強くなると、姿勢が良くなり、腰痛や肩こりなどの予防にもなります。腹斜筋が強化されると、体幹の柔軟性や回旋性が向上し、日常生活やスポーツでのパフォーマンスが高まります。次に、腹斜筋を鍛えることで、ウエストラインの引き締めや美容効果が期待できます。腹斜筋は、ウエスト周りの贅肉を落とすのに効果的な筋肉です。腹斜筋を鍛えることで、ウエストラインがシャープになり、見た目がスッキリします。腹斜筋は、背中や肩甲骨にもつながっているため、姿勢が良くなり、背中や肩周りもスッキリ見えるようになります。腹斜筋を鍛えることで、体型や見た目を改善することができます。

腹横筋と腹斜筋は、共に体幹のコントロールや動きの効率性に寄与します。また、これらの筋肉を鍛えることで、腰痛や姿勢不良の予防や改善にも効果が期待できます。(続く)

腹筋(上体起こし)が禁止になった理由

腹筋(上体起こし)が禁止になった理由

腹筋(上体起こし)は、腹筋を鍛えるための一般的な運動ですが、実は腰痛の原因になる可能性があります。腹筋(上体起こし)を行うと、背骨の間の椎間板に大きな圧力がかかり、摩耗やヘルニアなどの障害を引き起こす恐れがあります 。特に、腰を反らしたり、呼吸を止めたり、上半身が重い場合は、腰への負担が増大します。

そのため、日本バスケットボール協会では、上体起こしを「推奨できないトレーニング方法」として周知を進めています。代わりに、腰は動かさずに腹筋を収縮させて胸部を曲げる「カールアップ」などを推奨しています 。カールアップは、脊椎への圧力を低減し、効率的に腹筋を鍛えることができます。

腹筋(上体起こし)が禁止になった理由は、腰痛の予防という健康面の観点からです。腹筋を鍛えることは大切ですが、正しいフォームと呼吸法で行うことが必要です。また、事前にストレッチをして筋肉をほぐしたり、股関節や太ももの筋肉も使って起き上がったりすることも効果的です。腹筋(上体起こし)に頼らずに、より安全で効果的な方法で腹筋を鍛えましょう。

ウサギ跳びはいつ頃から行われなくなったのか|稲毛整形外科

ウサギ跳びとは、膝を曲げ、しゃがんだ状態でジャンプしながら前進するというトレーニング法です。

今の学生さんに聞いてもウサギ跳びという言葉が通じません。1970年代頃まで日本で広く行われていた筋力トレーニング法の一つでしたが、1980年代以降はトレーニング効果が無く故障のリスクが高いと周知されて廃れました。

ウサギ跳びは膝や足首に大きな負担をかけることで、疲労骨折や軟骨の損傷、半月板の損傷などの弊害を引き起こしやすいとされています。

ウサギ跳びがいつごろから行われなくなったのかは、正確な時期は分かりませんが、1978年に静岡市立長田南中学校の野球部員がウサギ跳びで集団骨折するという事件が起きたことがきっかけで、文部省がウサギ跳びの禁止を検討すると発表したことがありました。

その後、スポーツ科学や医学の面からウサギ跳びは否定され始めたことや、トレーニング機器や合理的なトレーニング方法の知識が海外から入るようになったこともあり、1990年代末には殆ど見られなくなったと言われています。

同様の理由で階段ダッシュやおんぶ走りは、膝にかなりの負担をかける運動です。 走る際には、体重の3-4倍の衝撃が膝にかかりますが、階段ダッシュやおんぶ走りはその倍以上の衝撃が増加します。 また、バランスを保つために膝を曲げたまま走ることが多くなりますが、これも膝や腰に負担をかけます。 重症化すると、軟骨や靭帯の損傷や変形性関節症、腰椎椎間板ヘルニアなどの慢性的な障害になる恐れもあります。

米軍入隊試験の体力テストから腹筋が除外された理由|稲毛整形外科

2022年春から導入された米軍入隊試験の新しい体力テストから腹筋が除外されたというニュースは、多くの人に驚きをもたらしたかもしれません。しかし、この変更には理由があります。腹筋運動は、背中の痛みやけがにつながる可能性が高く、現代の戦闘に必要なスキルとはあまり関係がありません。その代わりに、米軍はプランクやレッグタック懸垂などの体幹の強化を重視する運動を採用しました。これらの運動は、姿勢を安定させたり、重い荷物を運んだり、負傷者を救助したりする能力を高めると考えられています。また、米軍はデッドリフトやメディシンボール投げなどの筋力やパワーを試す種目も導入しました。これらの種目は、全身の筋肉を使うことで、より効率的にエネルギーを消費し、疲労を防ぐことができます。さらに、スプリントドリルなどの敏捷性やスピードを測る種目も加わりました。これらの種目は、素早く反応したり、方向転換したりする能力を向上させることができます。米軍入隊試験の体力テストから腹筋が除外されたことは、時代に合わせた適切な判断だったと言えるでしょう。

参考:米軍入隊試験の体力テストについて

米軍入隊試験には、体力テストが含まれています。旧体力テストは、以下の4つの項目でした。

  • 腕立て伏せ:2分間にできる回数を計測します。男性は最低42回、女性は最低19回以上でなければなりません。→老若男女同一基準に
  • クランチ:2分間にできる回数を計測します。男女ともに最低53回以上でなければなりません。(廃止)→クランチの代わりにプランクやレッグタック懸垂などの運動を採用し、体幹の強さを測定するようにした。
  • 2マイルラン:2マイル(約3.2キロメートル)を走ります。男性は最高16分36秒、女性は最高19分42秒以内に完走しなければなりません。
  • プルアップまたはフレックスドアームハング:プルアップは、懸垂棒にぶら下がって自分の顎を棒の上に持ち上げる運動です。フレックドアームハングは、懸垂棒にぶら下がって自分の顎を棒の上に固定する運動です。男性はプルアップを3回以上、女性はフレックドアームハングを15秒以上維持しなければなりません。→新しい体力テストは、年齢や性別に関係なく同じ基準で評価される。

米軍入隊試験の新しい体力テストは、2022年春から導入され、クランチの代わりにプランクやレッグタック懸垂などの運動を採用し、体幹の強さを測定するようにした。また、腕立て伏せやデッドリフト、メディシンボール投げやスプリントドリルなどの種目も追加し、筋力や敏捷性や調整力やスピードを評価するようにした。新しい体力テストは、年齢や性別に関係なく同じ基準で評価される。新たなテストには、以下のような種目が含まれる。

  • ヘックスバー・デッドリフト:ヘックスバーと呼ばれる六角形のバーベルを使って、床から持ち上げる運動。最大重量を3回持ち上げることができるかを測る。
  • ハンドリリース・プッシュアップ:腕立て伏せの動作の途中で、両手を床から離してサイドに広げる運動。2分間で何回できるかを測る。
  • レッグタック懸垂またはプランク:懸垂棒にぶら下がりながら、膝を胸に引き上げる運動または体幹を使って一定の姿勢を保つ運動。どちらかを選んで行う。
  • メディシンボール・スロー:10ポンド(約4.5kg)のメディシンボールを頭上から後ろに向かって投げる運動。投げた距離を測る。
  • スプリント・ドラッグ・キャリー:50メートルのコースで、全力疾走、スレッドプッシュ、ウェイトキャリー、ラテラルシャッフル、全力疾走の5種目を行う運動。所要時間を測る。
  • 2マイル(約3.2km)走:2マイルの距離を走る運動。所要時間を測る。

新しい体力テストでは、年齢や性別に関係なく、誰もが同じ基準で評価される。このテストは、現代の戦闘に必要な身体能力を測ることができると期待されている。