WBI指数|ランニング時の股関節痛

Running Style (ランニング・スタイル) 2013年 10月号 [雑誌]

 雑誌企画で12月のホノルルマラソンにむけて,フルマラソンに初挑戦する,ランニングスタイルホノルル部員の一人が股関節痛のため当院でメディカルチェックを行いました. Running Style (ランニング・スタイル) 2013年 10月号にその詳細が紹介されています.

 外傷歴などがないのに,股関節が痛くなりランニングを続けられない場合,多くは筋力不足が一因となっています. 

 この部員の場合もレントゲンやMRI検査では異常は認められず,大腿四頭筋の筋力をコンビットという下肢筋力測定専用機器で測ってみると筋力不足が明らかとなりました.

 どの程度の運動が可能か判断する指標として,この大腿四頭筋筋力を体重で割ったWBI指数 (千葉県勝浦市の国際武道大 黄川先生が考案)というものを用いていますが,この方の場合はランニングに必要な0.7を下回り,ジョギングが許可できる程度の筋力しかありませんでした.

 WBI指数をみるには専用の機械が必要ですが,簡易的な判断方法として片足で何cmの台から立ち上がれるか見る方法もあります.

高さ40cmの台に座り,両手を組んだまま反動をつけずに片足で立ちあがれれば,ジョギングが可能なWBI 0.6相当.

30cmの台から立ち上がれればランニング許可.WBI=0.7

20cmの台から立ち上がれればジャンプ.WBI=0.9

10cmの台から片足で立ち上がれれば競技復帰.WBI=1.0

 主に下肢の手術後の運動許可の目安として使っていますが,けがの予防のためにもどの程度の筋力があるのか,知っておく必要があります.

 さらに政府がメタボの次に広めようとしているロコモティブシンドロームにも立ち上がりテストが有用です.お年寄りの方は20cmの台から両足で手を使わずに反動をつけずに立ち上がれなければ通常歩行が困難となる黄色信号といえます.

 皆さんも立ち上がりテストtryしてみてください.