頚椎圧迫骨折はラグビーやアメフトなどのコンタクトスポーツだけでなく,浅いプールでの飛び込み,体育の授業やプロレスごっこなど,身近なところでも起こします.重度の場合,手足が動かなくなる脊髄損傷の原因となります.
この患者さんは倒立前転で首を捻挫.接骨で治療していたが,よけいに痛みが増してきたため来院.
レントゲンでは第7頚椎の前方部分,椎体という円柱状の骨の上半分がつぶれており,頚椎圧迫骨折の診断.
骨折というと枯れ枝が折れるように,ぽっきりと折れるのを思い浮かべると思いますが,骨折にはいろいろな形があります. 頭と首を支えている頚椎は,胸椎や腰椎に比べ動く範囲(可動域)が格段に広く,このこと(柳腰ならぬ柳首?)が幸いして,交通事故や落下事故でも骨折を起こすことは少なく,むち打ち損傷や胸腰椎圧迫骨折を起こします.しかし,首に全体重がかかり過屈曲すると,頚椎でも圧迫骨折を起こす事があります.