ウサギ跳びはいつ頃から行われなくなったのか|稲毛整形外科

ウサギ跳びとは、膝を曲げ、しゃがんだ状態でジャンプしながら前進するというトレーニング法です。

今の学生さんに聞いてもウサギ跳びという言葉が通じません。1970年代頃まで日本で広く行われていた筋力トレーニング法の一つでしたが、1980年代以降はトレーニング効果が無く故障のリスクが高いと周知されて廃れました。

ウサギ跳びは膝や足首に大きな負担をかけることで、疲労骨折や軟骨の損傷、半月板の損傷などの弊害を引き起こしやすいとされています。

ウサギ跳びがいつごろから行われなくなったのかは、正確な時期は分かりませんが、1978年に静岡市立長田南中学校の野球部員がウサギ跳びで集団骨折するという事件が起きたことがきっかけで、文部省がウサギ跳びの禁止を検討すると発表したことがありました。

その後、スポーツ科学や医学の面からウサギ跳びは否定され始めたことや、トレーニング機器や合理的なトレーニング方法の知識が海外から入るようになったこともあり、1990年代末には殆ど見られなくなったと言われています。

同様の理由で階段ダッシュやおんぶ走りは、膝にかなりの負担をかける運動です。 走る際には、体重の3-4倍の衝撃が膝にかかりますが、階段ダッシュやおんぶ走りはその倍以上の衝撃が増加します。 また、バランスを保つために膝を曲げたまま走ることが多くなりますが、これも膝や腰に負担をかけます。 重症化すると、軟骨や靭帯の損傷や変形性関節症、腰椎椎間板ヘルニアなどの慢性的な障害になる恐れもあります。