膝タナ障害(滑膜ひだ障害)

滑膜ひだインピンジメントシリーズの最後(おそらく)は膝関節の棚障害について説明します。

膝タナ障害(滑膜ひだ障害)は、膝関節内に存在する滑膜ひだが炎症を起こして肥厚し、関節運動中に挟まれることで痛みや違和感を引き起こす状態です。特に膝の曲げ伸ばしが多い運動やスポーツに起因することが多いです。

主な原因:

  • 繰り返しの動作: 膝の屈曲や伸展を頻繁に行うことで、滑膜ひだが摩擦を受けやすくなります。
  • 外傷: 転倒や膝への強い衝撃が滑膜ひだに負荷をかけ、炎症を引き起こすことがあります。
  • スポーツ活動: サッカーやバスケットボールなど、カッティング動作が多い種目で、膝を酷使する競技で発症する頻度が高いです。

主な特徴

  • 症状: 膝の引っかかり感、ポキポキ音、膝のお皿周囲の痛みなどが見られます。お皿の内上方にクリックを触知し痛みがあればほぼ確定です。
  • 原因: 繰り返しの膝の屈曲伸展やひねり動作、外傷による刺激が主な原因です。炎症が続くとひだが肥大化し、膝蓋骨や大腿骨と接触して障害を悪化させることがあります。
  • 診断: MRIや関節鏡による検査が有効で、滑膜ひだの状態を詳細に確認します。関節鏡で膝蓋骨の上を除くと滑膜ひだが棚のように張り出しており、緊張が強いとしつがいこつと大腿骨の間で挟まるのを直接観察できます。

治療法

  • 保存療法: アイシング、ストレッチ、物理療法(超音波や温熱)を通じて炎症を抑制します。
  • 手術療法: 保存療法で改善が見られない場合、関節鏡下での滑膜ひだ切除が検討されます

膝棚障害は早期の診断と適切な治療によって回復が期待できるため、膝に違和感を感じた際は専門医への相談が重要です。