どこの誰が言い出したのか?
膝の水を抜くとくせになる?
診察でも,患者さんによく聞かれます.
答えは,Yesでもあり,Noでもあります.
膝のスポーツ外傷で半月板や靭帯を損傷した際にたまった水(関節液)は,膝に水がたまる原因(膝軟骨損傷や,膝靭帯損傷,膝半月板損傷)が軽度であれば,受傷後早期に抜いてあげると,膝の可動域(曲がり)が保たれ,その後のリハビリが早く,早期スポーツ復帰が可能となります.
しかし,膝に水がたまる原因(膝軟骨損傷や,膝靭帯損傷,膝半月板損傷)が治らないまま無理な運動をすると,漫性滑膜炎をおこし,再度水がたまり,水を抜いたら動けるようになり,膝に水がたまり,また水を抜く.という悪循環におちいります.
1週間前,スポーツで膝を捻挫して膝に水がたまって,膝が曲がらなくなった学生
初診時は1人で来院,強硬に注射を嫌がったので,MRIを予約して,アイシングとテーピング.今日はお母さんと来院され,MRI検査の結果,前十字靭帯不全損傷.
1週間経っても,膝に水がたまった状態で,膝が30度も曲がらない.お母さんにも説得してもらい,半ば強制的に関節穿刺(膝に針を刺してたまった水を抜く処置)! 注射針を刺す間,おなかをつねると痛くないよ.といって,膝の水を抜いたところ,すぐに膝が90度楽に曲がるようになり,本人も喜んでくれました.
膝の水を抜いている間,おなかがつまめないといいながら泣いていましたが,何とか手元だけはぶれずに膝の水を30cc抜くことができました.(正常値は多くても2-3cc)
私の腹も,つまめないけど,皆さんは大丈夫?