MRIについて

MRI装置は、人体の内側を細かく撮影するための驚くべき技術です。強力な磁場を利用して、体内の水素原子核(プロトン)を整列させ、それらが戻る過程から信号を受信し画像を生成します。

MRI装置には以下の主要な部品があります:

  1. 静磁場磁石: 超電導磁石や永久磁石を使い、体内の水素原子核を特定の方向に整列させるために強力な磁場を発生させます。
  2. 傾斜磁場コイル: 磁場の強度を特定方向に変化させる役割を果たし、画像の位置情報を得るための鍵です。
  3. RFコイル: 磁場に垂直なラジオ波を照射して水素原子核を刺激し、信号を受信する機能があります。
  4. 電波と磁気のシールド: 外部干渉を防ぎ、正確な画像化をサポートします。

MRI装置は、磁場の強度によって性能が異なり、一般的に1.5テスラ3テスラといった指標で分類されます。超電導型は高精度ですが、永久磁石型はオープンデザインが可能で、閉所恐怖症の方に適しています。

MRI装置の騒音について

MRI検査中の音は、主に装置内部の傾斜磁場コイルの振動によって発生します。このコイルに流れる電流が磁場を生成し、その過程で振動が起こるため、大きな音が出る仕組みです。音量は100デシベルを超えることもあり、道路工事現場並みの騒音になることがあります。

オープン型MRIは、そのデザインの特性上、騒音が比較的少ないと言われています。従来のトンネル型MRIでは、閉じられた構造のため、音が内部に反響してより大きく聞こえることがありますが、オープン型では空間の開放感があるため、音の反響が抑えられる傾向があります。

さらに、最近のオープン型MRIには静音技術が搭載されており、患者さんがより快適に検査を受けられるよう工夫されています。実際の音量を確認したい場合は、事前にご相談ください。

閉所恐怖症の方へ

稲毛整形外科のオープンMRIでは閉所恐怖症の方でもほとんどの方が検査可能でした。

閉所恐怖症の方にはオープン型MRIがおすすめとされることが多いです。その理由は、機器が上下に分かれた構造で、開口部が広く、左右にも空間があるので圧迫感が少ない点です。視界が広く明るい環境が提供されるため、心理的な負担が軽減される傾向があります。

一般的にMRIはガントリー(撮影装置)中心で最も高画質になるのでトンネルの奥深くに検査部位をいれなくてはいけません。これは静磁場およびRF照射強度の均一度が高く、さらに傾斜磁場のリニアリティが良いことによります。しかしながら当院のオープンMRIではでは、正中から外れた膝・手首などの部位のセッティングがサポートされているので、腰や股関節、四肢では顔が装置からはなれて天井を覗くくことも場合によっては可能な、開放的な環境を提供します。さらに、騒音が軽減される設計が施されており、検査中のストレスが少なくなる可能性があります。

心配な方は検査予約の前に実際に横になって圧迫感を確認できますので受付または看護師にご相談ください。