体外衝撃波治療の効果 エビデンスについて

国際的なエビデンスとガイドライン

  • 国際衝撃波治療学会(ISMST)は、衝撃波治療の標準適応疾患と禁忌を定めたコンセンサスステートメント(2016年改訂)を発表 → 足底腱膜炎、石灰沈着性腱板炎、テニス肘、膝蓋腱炎、アキレス腱炎などが標準適応疾患として明記されています
  • Br Med Bull(2015年)のシステマティックレビューでは、整形外科領域におけるESWTの安全性と有効性が確認されており、特に腱障害に対する効果が高いと報告

📊 臨床研究の一例

疾患名改善率・エビデンス内容
足底腱膜炎改善率70〜90%。複数のRCT(ランダム化比較試験)あり
石灰沈着性腱板炎レントゲン上で石灰の消失例多数。痛みの軽減も報告
テニス肘保存療法で改善しない慢性痛に対し有効。機能改善も確認
脳卒中後の痙縮MAS(痙縮評価スケール)で有意な改善。12週間以上持続する例も
疲労骨折・偽関節骨形成因子(BMP-2)や幹細胞の遊走促進が確認されている

🧪 作用メカニズムに関する研究

  • VEGFやeNOSなどの成長因子の分泌促進により、血管新生と組織修復が起こる
  • 神経終末の一時的遮断により、痛みの伝達を抑制(Substance Pの減少)
  • 石灰化組織の破砕作用により、吸収と炎症軽減が促進される
  • mechanotransduction(機械刺激による細胞応答)が組織再生を誘導2

🧠 メタアナリシス・レビューのポイント

  • J-STAGE(2023年)では、ESWTが整形外科疾患だけでなく中枢神経疾患(脳卒中後の痙縮など)にも有効である可能性が示唆
  • STROKE LAB(2024年版)では、脳卒中後の痙縮に対するESWTの効果を複数の研究で検証。MASスコアの改善、筋硬度の低下、可動域の拡大などが報告

📌 注意点

  • 疾患や個人差により効果のばらつきがある
  • 一部疾患では保険適用外のため、自費診療となるケースも
  • 治療回数や照射エネルギーの設定により、効果の持続性や即効性が異なる

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