膝窩筋腱損傷について
膝窩筋腱損傷とは、膝関節の裏側にある膝窩筋という筋肉の腱が炎症を起こしたり、断裂したりする状態です。膝窩筋腱損傷とは、膝の裏側にある膝窩筋という筋肉の腱が炎症や断裂を起こす状態です。膝窩筋は、膝関節の屈曲と内旋を行う筋肉で、脛骨が外旋しすぎるのを防いで膝関節を安定させる役割があります。そのため、膝窩筋腱損傷は、膝関節の痛みや不安定感を引き起こすことがあります。
膝窩筋腱損傷の症状について
膝窩筋腱損傷の主な症状は、以下のようなものです。
- 膝関節外側に鋭い局所的な痛みがある
- 膝の痛みが荷重位やひねり動作で誘発される
- 長時間座った後に立ち上がるときに痛みが強くなる
- 膝窩筋の筋腹や腱に圧痛がある
- 膝関節の可動域が制限される
- 膝関節に不安定感がある
膝窩筋腱損傷の原因は、下り坂での走行や荷重位での下肢のひねり動作など、膝関節に反復的なストレスがかかることです。また、長時間の座位や内反膝・反張膝などの姿勢異常もリスク要因となります。さらに、交通事故やスポーツなどで、膝関節に強い外力が加わることでも発生する可能性があります。
膝窩筋腱損傷の診断は、主に触診や抵抗運動検査で行われます。痛みや圧痛がある部位を特定し、膝窩筋の屈曲・内旋に対する抵抗で症状が誘発されるかどうかを確認します。また、画像診断ではMRIが有用で、靭帯や半月板などの合併症も評価できます。
膝窩筋腱損傷の治療は、保存的な方法が一般的です。まずは安静にして炎症を抑えることが重要です。そのために、冷却や圧迫・挙上などの処置を行います。また、消炎鎮痛剤やサポーターなども使用することがあります。直接的なアプローチとしては、膝窩筋腱のリリースや拘縮解消、筋力強化などを行います。膝周囲筋の筋力や関節可動域を回復させることが目的です。特に、膝窩筋やハムストリングスなどのストレッチや強化運動を行います。重症な場合や保存的治療に反応しない場合は、手術的治療を検討することもあります。手術的な治療法では、靭帯修復術や再建術を行います。いずれの場合もリハビリテーションが最も重要です。