手の外傷
手の外傷は、日常生活や仕事、スポーツなどで起こりやすいけがです。手の外傷には、骨折、脱臼、靱帯損傷、神経損傷、切創、裂傷などがあります。手の外傷は、手の機能や感覚に影響を与えることがありますので、適切な診断と治療が必要です。手の外傷を受けた場合は、以下の点に注意してください。
・出血が多い場合は、止血を行い、清潔なガーゼや布で覆ってください。
・指先の血流が保たれているか確認してください。指先が青白くなったり、冷たくなったり、しびれたりする場合は、血流が不足している可能性があります。
・関節や骨に異常がないか確認してください。関節が腫れたり、変形したり、動かせなくなったりする場合は、骨折や脱臼の可能性があります。
・神経や腱に損傷がないか確認してください。指先の感覚が鈍くなったり、指を曲げ伸ばしできなくなったりする場合は、神経や腱の損傷の可能性があります。
・切創や裂傷の深さや大きさを確認してください。深い切創や裂傷では、神経や腱にも損傷が及んでいることがあります。また、感染のリスクも高まります。
以上のように、手の外傷は軽視できないものです。手の外傷を受けた場合は、早めに整形外科医や手外科医に相談してください。適切な治療を受けることで、手の機能や感覚を回復することができます。
ボクサー骨折
ボクサー骨折について
ボクサー骨折とは、拳を握った状態で人や物に強くぶつけたときに起こる手のひらの骨折です。特に、小指や薬指の付け根にある中手骨の頚部という部分が折れやすいです。この部分は手の甲側から見えるナックルと呼ばれる部分で、ボクサー骨折が起こるとナックルが沈んだり変形したりします。また、手のひらや指先が腫れたり痛んだりすることもあります。
ボクサー骨折の原因は、拳を握ったまま壁やパンチングマシーンなどに殴りかかったり、ケンカなどで人を殴ったりすることです。スポーツでは、ボクシングや空手などでパンチをするときや、スキーやオートバイなどで転倒して手をついたときにも起こります。日常生活では、交通事故などで手首に衝撃が加わったときにもボクサー骨折になる可能性があります。
ボクサー骨折の治療法は、まずは骨折した部分を元の位置に戻す整復を行います。その後、ギプスや副木、装具などで固定して骨がくっつくまで安静にします。ひどい場合は、手術でスクリューやプレートなどを使って骨折部を固定します。治療期間は約4週間から6週間ですが、個人差があります。治療後はリハビリテーションで指の可動域や筋力を回復させます。
ボクサー骨折は、拳を握った状態で強い力が加わると起こる手のひらの骨折です。痛みや腫れ、変形などの症状が出る場合があります。整復や固定などの治療を行い、リハビリテーションで指の機能を回復させます。予防するには、拳の握り方やパンチの当て方に注意したり、グローブなどで手を保護したりすることが大切です。
指伸筋腱脱臼
指伸筋腱脱臼とは、手の指を伸ばす筋肉の腱が、指の付け根の関節から横にずれてしまう状態です。この症状は、手の甲に強い衝撃を受けたときや、こぶしを作ったときに起こりやすく、指を曲げ伸ばしすると痛みや腱の滑る感覚があります。伸筋腱は骨の上に乗っているべきですが、脱臼すると骨から外れてしまいます。これは、腱を支える矢状索という組織が切れてしまったためです。
指伸筋腱脱臼の治療法は、受傷後の時間によって異なります。受傷直後であれば、自然に修復される可能性がありますので、指を伸ばした状態で固定することで治ることがあります。しかし、時間が経ってから診断された場合や、固定療法で改善しない場合は、手術が必要になることが多いです。手術では、切れた矢状索を縫合して、腱を元の位置に戻します。手術後は、数週間から数ヶ月のリハビリテーションが必要です。
指伸筋腱脱臼は、比較的よく見られる外傷ですが、重篤な障害になることもあります。早期発見・早期治療が大切ですので、指の動きに異常や痛みを感じたら、整形外科を受診してください。