痛み止めが効かない腰痛|腰部脊柱管狭窄症

60代男性.ジョギングのあと徐々に腰から太ももにかけての痛みが出現.以前,内科でもらった痛み止めを飲んでもまったく効果なく,当院を受診.

どんな薬を飲んだのか聞いてみると腹痛の際処方された痛み止め.

 ご存知の方も多いと思いますが,ブスコパンに代表される鎮痙剤は胃や腸の痙攣による痛みにはすっきりと効くのですが,一般的な肩こりや腰痛には全く効果がないどころか,胃腸の運動が抑制されて便秘や腹にガスがたまるなどの副作用もあるので注意が必要です.

腰部脊柱管狭窄症 診断は以前から足裏の違和感を感じていたとのことで,腰部脊柱管狭窄症.MRIを撮影してみると下から3番目の椎間板で神経が圧迫されてひきおこした神経痛でした.

数年前までは筋肉痛も神経痛もロキソニンやボルタレンなどの鎮痛消炎剤(NSAIDS)しか選択肢がなかったのですが、最近は神経痛に対して作用機序の異なる薬が開発されており,第一選択薬のNSAIDSが効かない場合,処方しています.

神経痛に対して,胃の痛み止めが効かないのは当然ですが,普通の消炎鎮痛剤が効かない慢性の痛みに有効ですので,是非お近くの整形外科で,ご相談ください.