骨端線損傷|成長期の骨折|春スキー

大腿骨遠位骨端線損傷来週は3月.一時の寒さも緩み,肩に力を入れなくても外を歩けるようになってきました.

今回の患者さんは8才の男の子.人生初めてのスキー.リフトを降りてスキーをはかせてもらい,雪面に立った瞬間滑り出し,猛スピードで転倒!一回も曲がることなく診療所で応急処置をしてそのままUターンで当院受診.

圧痛点は右上の大腿骨にある骨端線という場所に一致して認め,成長期の骨に見られる成長線の骨折が疑われました.

しかし骨端線の上の黒い影も病的骨折の疑いがあり,がんセンターに問い合わせ,成長期の正常変化だろうということで,診断は大腿遠位骨端線損傷としました.悪性には見えないもののがんセンターに紹介されたということだけで非常に心配させてしまいました.

毎日診察しているので患者さんからタイムリーにスキー情報を聞けるのですが,関東北部や東北の蔵王までももう雪は緩んでいるとのことです.雪が重くなるとケガも増えるので,くれぐれも注意してください.

スキーのハイシーズンもそろそろ終わり.

寂しい気もしますが,心には別の春風が吹いていることと思います.

肩腱板損傷;インナーマッスルの筋萎縮

今日は筋萎縮の話.

最近足がつりやすいとのことで来院された患者さん.通常は神経系の異常でつりやすくなるので、腱反射などの所見を診るも正常範囲.足くびがうまく動かせず,アキレス腱が断裂していた.よく話を聞いてみると半年以上前に受傷していた.痛みがないので普通に生活していたが,アキレス腱が付着しているヒラメ筋が異常に頑張っていたため、仮性肥大を起こし,異常につりやすくなるものと思われた.

このケースのように筋肥大を起こす場合もあるが、通常は腱が断裂するとその筋肉は動かなくなるため、筋線維の体積が減少し、筋肉は細くなるだけである.

肩の腱板損傷でインナーマッスルが動かなくなると,右MRIのように筋肉が委縮する(黄矢印;筋肉の間に白いスペースができてしまう)だけでなく、脂肪変性を起こしてしまい、回復に長期間を要する.腱板断裂の患者さんのMRIを注意して見ていると結構脂肪変性が多く認められる.

通常の大腿四頭筋などアウターマッスルが筋萎縮を起こしても足が細くなるだけで,脂肪にはならないので,インナーマッスルだけが脂肪変性を起こすとの仮説を立ててみたが,私の腹筋はアウターマッスルにもかかわらず,脂肪変性を起こしているようだ.

ロンドン五輪 歴史的記録

男子柔道 初の金メダルなしで始まったロンドン五輪.

個人総合の金よりも、悔しさの残った男子体操団体銀

テニスでは錦織圭が88年ぶりの歴史的快挙となるベスト8進出

フェンシング男子団体 銀メダル

卓球女子団体 初のメダルは銀メダル

競泳「金」はなかったが、競泳日本チーム一丸となりメダル総数11個は戦後最多

なでしこジャパンは初の決勝進出で銀以上

女子バレー 準々決勝で中国にオリンピック初勝利で,24年ぶりの4強入りを

サッカー男子 44年ぶりの銅メダルなるか,3位決定戦は日本時間11日午前3時45分)から

まだまだ寝不足の日々が続きますが,体力低下も熱中症になりやすくなるのでご注意を.

女子プロゴルファー古閑美保選手今期限りで引退

TFCC損傷

2008年度ツアー賞金王にも輝いた古閑美保選手の引退の一因となった左手首痛の原因となったTFCC損傷.

TFCCとは手首の関節の小指側にある三角線維軟骨とその周辺の靭帯の総称で,三角線維軟骨複合体と呼んでいます.

ラケットスポーツで多くみられ,特にゴルフやテニスで繰り返し起こるストレスに靭帯が劣化して靭帯損傷や軟骨損傷を起こします.

最近は見かけませんが,ゴルフ練習場のマット.クラブを強振してマットの端でダフったとき痛むところがTFCCです.(わたしだけ?)

レントゲンで損傷自体はわからないのですが,生まれつき尺骨(小指側の骨)が長い人は要注意です.

痛いときは冷やす?暖める?|日経新聞に掲載

本日付の日本経済新聞土曜版に取材記事が掲載されました


テーマは「患部を冷やすか温めるか迷ったら…」打撲・捻挫の初期治療はRest(安静)・Ice(アイシング・冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の頭文字をとり,RICEと呼ばれていますが,首の寝違いや筋違い,ぎっくり腰など急性期の痛みに対してもアイシングが有用です.冷やしたほうがいいのか,暖めてもいいのか,一言でくくれる問題ではありませんが,迷ったらまず冷やしてみてください.