腰痛の予防には腰痛体操をして,腰痛を起こしにくい体を作る必要があります.腰痛を起こしにくい座り方をすることが腰痛対策に有効と考えられます.

腰痛対策と予防

腰痛 対策と予防

 腰痛といっても様々ですが,いわゆる多くの人が経験する腰痛は病院を受診するほどでもない,器質的な異常を認めない腰痛です. 毎日水汲みだけでも2時間かけて歩いているアフリカの原住民に腰痛という言葉はなく,腰痛が現代病といわれる由縁です. いわゆる腰痛を予防するため,スポーツメーカーや事務機器メーカーも腰痛対策は無視できない問題です.

腰痛の病態

 腰痛といっても様々ですが,いわゆる多くの人が経験する腰痛は病院を受診するほどでもない,器質的な異常を認めない腰痛です.
 現代の生活では坐る事が多く,腰痛の一因となっています.いわゆる腰痛の発症原因として姿勢の問題があります.坐っているほうが,腰の負担が少ないように見えますが,歩かなくなって,股関節周りの筋肉が衰えた現代人は,いい姿勢(骨盤の前傾)を保持できないため,脊柱のS字状の生理的弯曲が崩れており,座位姿勢では単一のC字型のカーブになっています.このことが立ち姿勢に比べ,座位では立位時の2倍の圧力が椎間板にかかり,劣化することで様々な腰痛を引き起こします.

腰痛予防

 アフリカの原住民の番組で,今までに腰を痛めた人に挙手してもらったところヤシの木から落ちたなど,外傷で痛めた人ばかりだった.と笑えない話があります.ウォーキングや筋トレは腰痛対策,予防に有効といえそうです.
 腰痛を予防するためには自分から(active),歩いたり,腰痛体操をして,腰痛を起こしにくい体,姿勢を作る必要があります. 積極的な腰痛予防を全ての人が行えるわけではありません.せめて腰痛を起こしにくい座り方をすることが,受動的ではありますが,腰痛対策に有効と考えられます.

腰痛対策 腰痛を起こしにくい座り方

 腰痛を起こしにくい座り方とはどんなものなのでしょうか?背筋を伸ばして正座をすると腰痛が軽減するという患者さんが多々見られますが,あながち,間違ってはいません.正座すると骨盤を踵が後方から支えて,骨盤を前傾させ,腰のカーブを正常に保つためと考えられます.(ただし正座は膝に負担をかけます)
 椅子に坐るときも,正座したときと同じ姿勢を取れるように調整して,姿勢を矯正することで腰痛を軽減することができます.
座面の高さ
 足を床につけた状態で,大腿後面が軽く座面に当たるように,座面の高さを調節します.
座面の傾斜
 古くなった折りたたみチェアのように前のほうに滑っていかないようにやや後ろに傾斜しているほうが腰痛を起こしにくいといえます.同様に滑りやすい素材の椅子は避けるべきです.坐骨があたる前方が1-2cm盛り上がっているアンカーサポートのある椅子は前方に滑りにくくなっています.
背もたれ
 背もたれが肩甲骨に当たるようだと胸椎の弯曲が浅くなり,S字カーブが崩れて腰痛の原因となります.
ランバーサポート
 いわゆる腰当ては腰椎が前屈しないように,高機能チェアであればついていますが,航空機のシートに備えられているような小さなクッションなどで代用することも可能です.
背もたれの高さ
 背もたれが肩甲骨に当たるようだと胸椎の弯曲が浅くなり,S字カーブが崩れて腰痛の原因となります.腰椎を支えるだけのものか,背中まで全体を支える高さが必要です.
クッションの硬さ
 クッションの硬さは,座面にかかる圧を分散できるような,固めの素材が有効とされています.最近では背もたれも圧力を均等に受けるものや,左右のねじりまで対応する機種もあります.

腰痛と椅子 人間工学

 最近の高機能オフィスチェアは,人間工学を用いて腰に優しく設計されています.浅く坐る人もいれば,座面を低くして坐る人もおり,そのことまで考慮して,椅子が背骨を守ってあげようと設計されているようです. しかし,椅子を選べる状況にない場合も多く,最低限,長時間坐る椅子は調整して,腰痛を予防しようという姿勢そのものが必要です.