肩腱板断裂・腱板損傷

肩腱板損傷・腱板断裂

MRI像 肩腱板断裂

 四十肩,五十肩に腱板損傷・腱板断裂が隠れている.

肩腱板損傷の症状

 手が後ろに回らなくなる,いわゆる四十肩,五十肩と診断され,長い間治らない患者さんの中に,腱板断裂が見逃されていることがあります.肩が上がらない,ある角度で痛みがある等,自然軽快しにくく,MRI検査が有用です.

肩腱板損傷・腱板断裂の原因と病態

 肩関節が十分な機能を発揮するためには肩関節包,腱板,滑液包,三角筋などの軟部組織の協調運動が必要です.したがって肩関節包,腱板,滑液包,三角筋により構成される肩関節の滑走機構のいずれに障害が発生しても肩機能には障害が発生します.
 腱板断裂は, 腱板(棘上筋,棘下筋,肩甲下筋,小円筋よりなる)に加わる外力も含めた機械的ストレスと退行変性を基盤とした発生要因があります.若年齢では強度も強く柔軟性に富んでいるが,年齢とともに強度や柔軟性も低下し,退行変性や弱い外力でも断裂し易くなります.

肩腱板損傷・腱板断裂の診断と治療

1)大結節の圧痛・陥凹・操音の触知 2)Drop Arm Sign:腱板断裂があれば必ず陽性になるのではなく,明らかな外傷を伴う腱板断裂の急性期にのみ出現. 3)有痛弧(Painful arc):最大域ではなく外転80°~ 100°での発現頻度が多い. 4)棘上筋と棘下筋の奏縮:患部を露出し,患側だけを視診するのではなく患側と健側間の比較(左右差)をすることが重要.
腱板断裂を示峻する単純X線像
1)骨頭上昇 肩甲骨下縁と上腕骨頚部下縁のラインがきれいに揃わずギャップが生じる.これは腔板の機能が低下し,相対的に三角筋が優位に働き骨頭を上方に引き上げるためで,約1/3に断裂を認めます.2)肩峰下骨麻と大結節の不整 肩峰下骨棘は腱板を傷つける位置に形成され,約1/3に腱板断裂を認める.3)骨頭上昇と肩峰下骨棘 1)で説明した骨頭上昇と肩峰下骨麻が合併した場合, 約2/3に腱板断裂を認めます.4)肩峰骨頭間距離(:AHI) 6 mm以下は88%に腱板断裂を認め,4 mm以下は広範囲断裂を認めます.

Cuff-Y Exercise

 腱板(cuff)の筋機能を再教育・改善することを主目的とし,肩関節疾患において一般的な訓練となっています. 訓練方法は,徒手やチューブによる軽い抵抗,もしくは無抵抗にて外旋や肩甲骨面上の外転などを行い,,腱板の筋活動を向上させます.強すぎる抵抗は大胸筋や三角筋(Outer muscle)に力が入ってしまい,軽い抵抗に反応する腱板(Inner muscle)の働きを阻害してしまうので注意してください.